一棟物件断水緊急対応事例

賃貸管理のコツ

先日、当社管理物件において断水トラブルが発生しました。

築約35年のRC7階建て住戸19戸全世帯で3日間断水になりました。重要なライフラインである「水」に関わるため、給水設備のトラブルは重大な問題です。弊社の緊急対応の対処法今後の予防の観点からお話ししたいと思います。


前日の夜間に緊急コールセンターよりホットラインがあり、入居者から「水が出ない」と連絡がありました。翌朝さらに複数名の入居者から同様の連絡があり、特定の部屋の断水ではなく一棟で断水している状況が判明しました。直ちに弊社スタッフ2名で現場に急行し初期対応に当たりました。このような設備トラブルでは、状況調査、原因究明、業者手配、必要に応じた代替品の発注・交換工事などが必要になり、連絡を受けてからすぐに問題を解消できない場合が多々あります。とはいえ、入居者には生活に支障が出ている場合がほとんどですので、一次対応にはスピーディーさと相手の立場になって考える姿勢が非常に重要となってきます。


現地調査の結果、断水の直接の原因は共用部にある給水ポンプの漏電ブレーカーが落ちたことによる給水停止でした。マンションは直結給水方式ではなく受水槽方式です。そもそも受水槽方式とはマンションなど階数が高い物件において、ポンプで屋上に設置されている「高架水槽」に水をあげ、そこから重力を利用し各戸に給水を行います。
ポンプが作動しないことにより高架水槽に水があげられず、水槽の水が空になり給水が停止しました。受水槽の水位を一定に保つためのFMバルブ(定水位調整弁)が劣化損傷し、弊社スタッフが現場確認時にはマンション地下にある受水槽室が浸水して給水ポンプ・排水ポンプが水没している状況でした。


 復旧対応可能な業者の選定、物件オーナーへ事態説明、想定費用の概算見積もり、各世帯の入居者の生活状況も考慮し1日でも早い復旧を試みましたが、当初の想定では断水復旧まで1週間以上は期間を要すると思われました。業者に交換機器を最短で取り寄せてもらい、施工技術者の手配を都合してもらい、各入居者宅に弊社スタッフで当面必要な生活用水をお届けしました。おかげで当初の想定期間より大幅に短縮でき、初期対応から3日後に断水から復旧することができました。この期間、入居者にとっては非常に過大な生活ストレスがあったはずです。弊社の対応を評価いただけたのか確証はありませんが、とにかく迅速に、誠意をもって事態に対応するよう全員で動いた結果、二次クレームに繋がることはありませんでした。

今回の事例から、受水槽方式の物件は日々のメンテナンス、点検が重要であると改めて考えさせられます。水道水を水道管から直結しておらず、一度タンクに貯めてから各戸に給水するので「水質管理」も行わなければなりません。「水質管理」については、受水槽に入るまでは水道事業者の責任ですが、受水槽に入ってからの責任は設置者(所有者)となります。水道法により10㎥を超える貯水槽(受水槽含めた各水槽の総称)は1年に1回の点検、清掃、水質検査を設置者(所有者)が自らの責任で行うよう義務付けられています。法の規制はありませんが、10㎥を超えない貯水槽でも同様の管理を行うことが推奨されています。
気になる費用に関してですが、物件規模、場所、タンク容量にもよりけりです。目安としては大体4万~8万程度がかかります。
もちろんランニングコストはかかりますが、給水設備は放っておくと知らない間に老朽化が進み、配管の腐敗や飲料水の濁り、受水槽に関連したポンプ等の設備故障など様々なトラブルが発生します。生活に欠かせない「水」のトラブルでは損害賠償が発生するケースも多くあり、それらを未然に防ぎ、衛生的で安全な「水」を入居者に提供することは賃貸経営上非常に重要なことであると考えられます。
受水槽の他にも、アパート・マンションには設備によってさまざまな運営コストがかかってきます。特に法令上必須のものとしては、エレベーターの定期検査(1年1回)、消防点検(機器点検6ヶ月1回・総合点検1年1回)等があげられます。ご自身の大切な資産、入居者の安全を守るためにもきちんとBM管理(ビルメンテナンス)を行うよう気にかけたいものですね。

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