原状回復はどこまで賃貸人が負担すればいい? 退去者の正当な割合とは?
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今年も忙しい繁忙期がやってきます。近年は賃貸物件での原状回復費用を巡ってトラブルが多発しています。繁忙期が始まる前に是非知っていただきたいのが、原状回復の費用負担割合についてです。いくつか事例を紹介させていただき繁忙期をトラブルなく乗り越えましょう。
原状回復とは
国土交通省のガイドラインでは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしております。
<原状回復のガイドラインってなに?>
国土交通省がトラブルを未然に防止するために作った原状回復の費用負担の在り方について、妥当と考えられる一般的な指導方針です。2020年の民法改正後は、賃借人負担となる原状回復費用の負担のあり方等を示したガイドラインを法律上のルールとして明文化しました。ガイドラインは今に至るまでに2004年と2011年の2回見直され、2020年4月の民法改正に併せて変更されました。具体的には、以下の3点について明記されています。
また 賃借人の故意過失等による損耗であっても、法律で定められた「耐用年数」を考慮しないといけません。
例えば「クロスの耐用年数は6年間」と定められていますが、これは「クロスの価値は6年かけて徐々に無くなっていき、6年後以降は価値が無くなるという事です。仮に3年後のクロスの価値は本来の50%、6年後の価値は0%(会計上は1円)になります。
例えば、故意過失で破られたクロスの修繕費用が5万円だった場合でも、賃借人が3年間入居していた場合、賃借人負担は50%の2.5万円になります。6年以上住んでいた場合は、原則請求出来ません。しかし、工事代については賃借人に請求できる場合もあります。
まとめ
通常損耗、経年劣化については、原則賃貸人負担ですが、改正民法の原状回復の規定は任意規定であるため、民法と異なる特約も認められます。ただし、その場合、賃借人が負担する通常損耗の範囲を具体的に説明し、賃借人がそれを認識した上で合意することが必要です。但し、賃借人にとって不利な特約を定めることは「消費者の利益を一方的に害するもの」として無効にされる可能性がある為、オーナー様は認識しておく必要がございます。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を一読いただき、敷金と原状回復について理解を深めることがトラブル防止に繋がります。なお、原状回復義務の有無に関しては、個別具体的な事情により判断が必要になる為、判断に迷ったら、不動産会社へ相談しましょう。
- 賃借人は賃借中の損傷について原状回復義務を負う
- 通常損耗や経年劣化については原状回復義務を負わない
- 賃借人に帰責事由がない損傷については、原状回復義務を負わないこと
また 賃借人の故意過失等による損耗であっても、法律で定められた「耐用年数」を考慮しないといけません。
例えば「クロスの耐用年数は6年間」と定められていますが、これは「クロスの価値は6年かけて徐々に無くなっていき、6年後以降は価値が無くなるという事です。仮に3年後のクロスの価値は本来の50%、6年後の価値は0%(会計上は1円)になります。
例えば、故意過失で破られたクロスの修繕費用が5万円だった場合でも、賃借人が3年間入居していた場合、賃借人負担は50%の2.5万円になります。6年以上住んでいた場合は、原則請求出来ません。しかし、工事代については賃借人に請求できる場合もあります。
まとめ
通常損耗、経年劣化については、原則賃貸人負担ですが、改正民法の原状回復の規定は任意規定であるため、民法と異なる特約も認められます。ただし、その場合、賃借人が負担する通常損耗の範囲を具体的に説明し、賃借人がそれを認識した上で合意することが必要です。但し、賃借人にとって不利な特約を定めることは「消費者の利益を一方的に害するもの」として無効にされる可能性がある為、オーナー様は認識しておく必要がございます。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を一読いただき、敷金と原状回復について理解を深めることがトラブル防止に繋がります。なお、原状回復義務の有無に関しては、個別具体的な事情により判断が必要になる為、判断に迷ったら、不動産会社へ相談しましょう。