【アパート騒音】厄介なウォーターハンマーで退去?賃貸オーナー向け対策
設備故障

ウォーターハンマー現象は、賃貸アパートで発生しやすい騒音問題です。
適切に対処しなければ入居者が騒音に悩み、退去してしまう恐れもあります。
では、ウォーターハンマー現象はなぜ発生し、発生した場合にはどのような対策が必要になるのでしょうか。
本記事では、アパートでウォーターハンマー現象が発生する理由と、入居者と賃貸オーナーができる対処法についてご説明します。
目次
1.ウォーターハンマー現象による騒音の影響
賃貸アパートの騒音について、入居者から相談を受けた経験を持つオーナーも少なくないでしょう。
夜中の大きな話し声や、大音量で流れる音楽などの騒音は、入居者に問題があります。
しかし、「壁や天井から大きな音がする」といった相談の場合は、ウォーターハンマー現象が原因かもしれません。
1)ウォーターハンマー現象とは
ウォーターハンマー現象とは、水道管内の圧力が急に変化することで生じる衝撃音です。
「水撃」と表記されることもあり、その漢字を見ただけでもウォーターハンマー現象による衝撃音が大きなものであると想像がつくのではないでしょうか。
2)ウォーターハンマー現象の音
ウォーターハンマー現象の音は「ガン!ガン!」や「ドン!」といった大きなものです。
水道管内で水がぶつかる音のため、水道管が通っている壁や天井などから聞こえてきます。
3)ウォーターハンマー現象が発生するメカニズム
ウォーターハンマー現象には、以下の2種類に分けられます。
圧力上昇によって生じる音と、水柱分離によって生じる音の2種類があります。
圧力上昇のケース
圧力の急激な上昇が原因のケースでは、急に水の流れを止められたことで、行き場をなくした水の運動エネルギーが水道管の内部にぶつかり、衝撃音が発生するというものです。
シングルレバーの水栓やトイレ、洗濯機などに接続している水道管の場合、水が急に止められる可能性があり、ウォーターハンマー現象による衝撃音が発生しやすくなります。
アパートの構造による水注分離
水柱分離によるウォーターハンマー現象は、アパートの上階にポンプで水を汲み上げて運ぶ際に生じる音です。
何らかの理由でポンプが停止した場合に、上に向かって流れていた水が下に落下します。
その際、上に進もうとしている水と、落ちてきた水がぶつかることで激しい衝撃音が発生するのです。
2.ウォーターハンマー現象が起きやすいアパート
次のようなアパートは、ウォーターハンマー現象が起きる可能性が高くなります。
1)満室経営のアパート
ウォーターハンマー現象は、配管内を流れる水の量が増えたり、水を止める頻度が増えたりすると発生しやすくなります。
したがって、アパート内の入居者が増えれば、水の使用量も増えるため配管内の圧力も大きくなり、水を止める回数も増加します。
つまり、満室経営のアパートこそ、ウォーターハンマー現象は起きやすいと言えるのです。
2)水道メーターを交換したばかり
水道メーターは、定期的に交換をするものです。
メーター交換後にウォーターハンマー現象が起きるようになった場合は、水道メーターを交換する際に配管内に空気が入ってしまったことが原因かもしれません。
ただし、この場合は水道業者に連絡し、空気を抜く作業をしてもらうことですぐに解消できます。
3)配管がしっかり固定されていない
水道の配管がしっかり固定されていない場合、振動も長く続き、音も長く響き渡ります。
配管の固定が不十分であることや、経年劣化などにより固定していたものが緩んでいることが原因で、ウォーターハンマー現象が起きる可能性もあります。
4)水撃防止器が劣化
水撃防止器とは、ウォーターハンマー現象による騒音を防止するために設置する装置です。
過去に水撃防止器を設置したことがあるにも関わらず、ウォーターハンマー現象が見られるようになった場合は、水撃防止器が劣化している可能性があります。
3.ウォーターハンマー現象が招くトラブル
アパートでウォーターハンマー現象が発生した場合、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
1)入居者同士のトラブルが発生
「夜中に壁を叩く音が続いている」「天井からドンドンという足音が聞こえてくる」といった騒音が原因で、入居者同士のトラブルが発生するケースがあります。
管理会社やオーナーに報告が入れば適切な対応ができますが、ウォーターハンマーが原因であることを知らない入居者が、隣や上階の住人に抗議する可能性も。
その場合、音を出した覚えのないは住人は途方に暮れてしまうでしょう。
2)退去者が出る恐れも
ウォーターハンマー現象によって度々発生する大きな音のために、快適に生活することができず、入居者が退去してしまうケースも。
対策を講じず、そのままにしておけば、次の入居者が入っても再び早期の退去につながるかもしれません。
3)漏水のリスク
ウォーターハンマー現象では、衝撃が音を生じさせると同時に、水道管が振動します。
長期にわたって振動が蓄積すると、配管の接続部分などが徐々に緩み、これが水漏れの原因に。
水道管内で水漏れが発生すると、階下の部屋を濡らし、所有物に被害を与えてしまう可能性もあるでしょう。
4)給湯器の故障
ウォーターハンマー現象の蓄積は、給湯器センサーの故障につながる恐れもあります。
入居者はシャワーや入浴ができなくなり、設備故障が招く家賃減額、最悪なケースでは退去につながる可能性もあるでしょう。
4.ウォーターハンマー現象の発生を防ぐ対策
ウォーターハンマー現象の原因は、水道管内の急激な圧力の変化です。
水道を使用するときに、ゆっくりと開け閉めをするよう入居者に依頼することで音の発生を抑制できる場合があります。
しかしながら、トイレや洗濯機などでは、水を止めるスピードをコントロールできません。
そのため、アパートでウォーターハンマー現象を防ぐためには、入居者任せではなく、オーナーとして対策に取り組む必要があります。
ウォーターハンマー現象の発生を防ぐ対策をご紹介します。
1)元栓や止水栓を少し締める
水道の元栓や止水栓を少し締め、水道管内に流れる水の量を減らしましょう。
水道管内の圧力も低下するため、ウォーターハンマー現象が起きにくくなる可能性があります。
ただし、締めすぎると水が出にくくなるなど、入居者の生活に支障をきたす恐れがあるため、調整には注意が必要です。
2)水撃防止器を新しく設置する
水撃防止器は、圧力を吸収することでウォーターハンマー現象による衝撃音を緩和する器具です。
配管に取り付けるタイプ、配管と止水栓の間に取り付けるタイプ、水栓上部に取り付けるタイプのものがあります。
すでに設置しているものの、設置から時間が経過している場合は、新しいものに交換するとよいでしょう。
3)専門業者に依頼をする
アパートに適した水撃防止器が分からない場合や、水撃防止器を設置しても改善が見られない場合は、専門業者にウォーターハンマー現象の原因調査を依頼することをおすすめします。
配管の固定が緩んでいる場合などは、専門業者でなければ対応が難しくなります。
早めに対策を取りましょう。
まとめ
ウォーターハンマー現象による騒音は、水の使用量が多くなるほど発生する可能性が高くなります。
そのため、満室経営の賃貸アパートは注意が必要です。
入居者から相談があった場合には、水撃防止器を設置したり、専門業者に依頼したりするなどして、オーナーはできるだけ早めに対策を講じるようにしましょう。
ランドネットでは、24時間365日体制のコールセンターを完備しています。
夜中にウォーターハンマー現象が発生しても、問い合わせに迅速に対応でき、入居者の不満を最小限に抑えることが可能です。
また、オーナーの突発的な修繕費の負担を軽減するため、給湯器を含む設備が故障した場合の無償修理と無償交換を実施する設備保証サービスも提供しています。
ウォーターハンマー現象のトラブルにお悩みの場合には、お気軽に当社までお問い合わせください。
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