【1棟アパート建物管理】入居率を高める定期清掃の重要性を解説

空室対策

1棟アパートの経営をする場合、入居者の募集や家賃の集金などを行う賃貸管理だけではありません。

建物や設備の維持管理、清掃などを行う建物管理が必要になります。

入居者を獲得するためには、入居者の募集活動や管理も大切ですが、建物を適切な状態に保つ建物管理も非常に大きく関係します。

そこで今回は、アパートの建物管理業務の内容、定期清掃と入居率の関係についてご説明します。

1.【1棟アパート】の建物管理とは

アパート1棟を経営する場合の建物管理には、建物自体の維持管理に関する業務と設備を維持管理する業務が必要になります。

1棟アパートの建物管理を管理会社に委託した場合の、建物管理業務の内容をご紹介します。

1)建物の清掃

建物を維持するためには、共用部の清掃は欠かせません。

アパートの清掃には、定期清掃と巡回清掃があります。

巡回清掃とは、月に数回行う清掃で、エントランスや廊下、階段、外構、ごみ捨て場などの共用部の掃き掃除や拭き掃除を行い、建物内と敷地内をきれいな状態に保つものです。

一方、定期清掃は巡回清掃では落としきれなかった汚れを専用の機械や洗剤などを使って除去することを目的とした清掃です。

具体的には、定期清掃ではエントランスや廊下の床タイルのポリッシャーによる洗浄や外壁の高圧洗浄、照明器具の清掃、敷地内の植栽の手入れなどを行います。

2)建物の点検・メンテナンス

建物の点検とメンテナンスは、建物の価値を維持するために重要なものです。

外壁の汚れやタイルの剥がれ、塗装の状態、エントランス・廊下などの共用部分の汚れの状態、手すりや雨どいの状態などを点検し、修理の必要があれば早めに補修をします。

3)設備の点検・メンテナンス

設備の点検には、法的に点検が義務付けられている法定点検と、任意で行う任意点検の2つがあります。

法定点検では主に、次のような設備の点検を行わなければなりません。

消防用設備の点検

消火器具やスプリンクラー、火災報知器、誘導灯、非常用電源などの点検を行います。

外観や機能の作動点検は半年に1回、総合点検は1年に1回必要です。

給排水設備の点検、清掃

10㎡を超える貯水槽や高架水槽がある場合は、1年に1回貯水槽の清掃と設備の点検が必要です。

浄化槽の点検、清掃

浄化槽や合併浄化槽の保守点検や清掃、定期的な水質検査が必要です。 処理対象人数や処理方法によって点検の頻度が決められています。

ガス設備の点検

4年に1度、ガス給湯器やガス風呂、排気筒、換気扇の点検が必要です。

昇降機の点検

1年に1回、昇降機(エレベーター)の定期検査が必要です。

4)長期修繕計画の策定

アパートの資産価値を維持するためには定期的な修繕が不可欠です。

建物の劣化は空室リスクにもつながるため、長期的なスパンで修繕の計画を立てます。

具体的には、ベランダや廊下、階段などの塗装、排水管の高圧洗浄、屋根や外壁の塗装、ベランダや屋上の防水工事、給湯設備の交換などで、これらを計画的に行います。

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2.アパートの巡回清掃と定期清掃

アパートの建物管理業務の中で、最も頻度が大きくなるものが清掃業務です。

建物を良好な状態に維持するためには、アパートの外観や敷地内、共用部をきれいに保つ清掃が欠かせません。

では、アパートの巡回清掃と定期清掃ではどのような違いがあるのでしょうか。

1)巡回清掃の内容と頻度

巡回清掃では、エントランスや廊下、階段、ごみ捨て場などの共用部の掃除を行います。

頻度はオーナーの考えによって異なりますが、月に1~4回程度が多くなっています。

巡回清掃は、汚れを落とすというよりは、掃き掃除や拭き掃除などで落ち葉やゴミなどを取り除いたり、クモの巣を除去したりといった作業で、建物を清潔に保つ意味合いが強くなります。

2)定期清掃の内容と頻度

定期清掃は、建物に付いた汚れを除去するための清掃です。

エントランスや廊下のタイルに付いたシミや汚れは、掃き掃除だけでは取り除けません。

定期清掃は、高圧洗浄やポリッシャーなどの専用の機械を使って、溜まった汚れを落とす作業です。

タイルに付いた汚れなどは簡単には落とせず、無理に汚れを落とそうとすると素地を痛めてしまうこともあります。

そのため、1年に2~3回程度は定期清掃を行い、専門的な機械を使った清掃を行うことが大切です。

外構部分の植栽の手入や雑草の除去なども定期清掃で行います。

3.共用部の定期清掃と入居率の関係

賃貸アパートのオーナーの中には、日常的に掃き掃除や拭き掃除をしていれば建物はきれいに保てるのではと考える方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、空室リスクを避けるためには、プロの手による定期清掃は非常に重要です。

1)賃貸物件の入居者は、見た目の新しさを重視する

定期清掃では、共用部の壁や床、手すりなどに付いた汚れを除去します。

どんなに掃き掃除を行っても、土足で歩くエントランスの床や廊下の床には汚れが付着してしまいます。

汚れは溜まれば溜まるほど落ちにくくなり、範囲も広がるでしょう。

定期清掃によって汚れを除去しなければ、建物はどんどん汚れ、古く見えるようになります。

 賃貸物件の入居者は、見た目の新しさを重視します。

たとえ築年数が経過した建物でもしっかりとメンテナンスが行われ、見た目がきれいで新しければ入居を希望する人は多くなるのです。

反対に、築年数が新しい物件でも、定期清掃が行われずに汚れが蓄積しているような場合は、入居者に敬遠される可能性が高くなります。

定期清掃でしっかりとメンテナンスを行い、外観の美しさを維持すると入居率の向上につながるはずです。

【内見】賃貸アパートで客付けできない外観と共用部とは

2)内見時の第一印象が入居申し込みにつながる

入居者は、インターネットの賃貸物件サイトで物件情報を検索し、希望の条件に合致した物件が見つかれば内見を申し込みます。

アパートに入居を希望する人の多くは、駅からの距離など立地条件のほか、自分が住む部屋の広さやきれいさ、設備など、部屋の条件を元に情報の検索をします。

しかし、実際に物件を訪れてみたら、エントランスの壁や床に大きなシミがいくつもあり、廊下の照明が切れ、外構には雑草が生い茂っていたとします。

立地や家賃などの条件が希望に合ったとしても、外観が汚れている物件の場合は、内見しても入居までに至らないケースが非常に多くなります。

  アパートの共用部が汚れていれば、「建物がしっかり管理されていないのでは?」というイメージが強くなり、万が一、トラブルが起きた場合も「しっかりと対応してもらえないのでは?」という危惧につながるのです。

定期清掃がしっかり行われ、建物がきれいに保たれていれば、「建物管理だけでなく入居後の管理体制もしっかりしているのでは?」という印象が強くなり、内見後に入居申し込みをする人が増えるでしょう。

3)入居者の満足度を高め、退去を抑制する

退去者が出なければ、空室は発生せず、入居者を募集する必要はありません。

したがって、入居者の満足度を高め、退去を抑制して入居期間を長くすることは、最大の空室対策になるのです。

転居には引越しの費用や新しい物件の敷金や礼金など、費用がかかります。

そのため、住んでいるアパートに不満がなければ、就職や転勤、結婚などの理由がない限り、引越しをせずに済み続けたいと考える人も少なくありません。

定期清掃を行い建物をきれいに維持していれば、日々を気持ちよく暮らせる環境を維持できるため、入居者の満足度が高まり退去の抑制につながる可能性があります。

4)建物の資産価値を維持する

定期清掃を年に数回実施して汚れを除去していけば、時間が経ってもきれいな状態を維持しやすくなります。

長期修繕計画を立て、計画的に修繕をしていけばアパートを良い状態で保てるために資産価値も維持しやすくなります。

状態の良いアパートであれば、築年数が経過しても入居者を確保しやすくなるでしょう。

入居率が高く、資産価値を維持しているアパートであれば、いずれ売却するときが訪れても高値で売却できる可能性が高くなるのです。

まとめ

1棟アパートの建物管理についてご説明してきました。

アパートをいつまでも良い状態で維持するためには日常的な清掃のほかに、定期的に汚れを除去する定期清掃が重要になります。

外観をきれいに保っているアパートは入居者にとって気持ちよく生活できる環境であり、退去の確率を抑えられるほか、内見に来た人の成約率も高められる可能性があります。

今、オーナー様ご自身で日常清掃を行っている場合には、プロの手による定期清掃を導入することをおすすめします。

弊社では、1棟アパート専用の管理サービスを提供しています。 定期清掃はもちろん、巡回清掃や保守点検等、入居者の満足度を上げる建物管理のご提案を行っております。 ぜひ賃貸事業部スタッフまでお気軽にご相談下さい。

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監修者
西原 勇太【株式会社ランドネット】
西原 勇太【株式会社ランドネット】
賃貸仲介・管理をはじめ売買や開発に携わり、不動産の総合キャリアを構築。多角的な視点と提案でオーナーの賃貸経営をサポート!【資格】宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター【不動産業界歴】17年

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