【アパート経営】埼玉県の賃貸事情を解説!2024年最新動向

賃貸市況

東京都に隣接する埼玉県は、首都圏の主要なベッドタウンです。

自然と都市機能のバランスのよい住環境を備えており、都心へのアクセスの良さと比較的手頃な家賃に魅力を感じる世帯から高い人気を集めています。

本記事では、埼玉県の賃貸事情について、人口動態や世帯数の変化、空室率などの観点から解説します。

1.埼玉県の賃貸住宅市況

東京を含む一都六県と隣接する埼玉県は、各地へのアクセスが良好なベッドタウンとして人気があります。

他県からの人口流入も多く、さいたま市や川越市といった都市部では人口増加が継続しています。

県全体の空き家率は全国で最も低く、需要と供給のバランスが取れているエリアです。

近年は賃貸物件の着工戸数がやや低調気味ではあるものの、年間15,000戸ほどの賃貸住宅が建てられています。

今後も、東京都内への良好なアクセスを求める入居者の受け皿として、現代の生活スタイルにあった賃貸物件のニーズは高まり続けることが予想されます。

ただし、エリアによっては人口の減少および賃貸需要の低下が見込まれます。

2.埼玉県の賃貸住宅の着工戸数

※埼玉県「令和04年(2022年)統計年鑑 6 建設・住宅」を基に弊社作成

 

埼玉県では、2018年までは年間2万戸を超える賃貸住宅の着工がありましたが、2019年以降は激減し、2022年まで15,000戸前後で推移しています。

コロナ禍だった2020年を底に、以降は緩やかに増加傾向にありますが、後述するように埼玉県の空き家率は上昇傾向にあり、人口もピークアウトしていることから、コロナ禍前まで回復するか定かではありません。

3.埼玉県の貸家の空き家数

埼玉県の空き家数および空き家率は、以下の通りです。

(年) 総住宅数 空き家 うち賃貸用住宅 空き家率
2003 2,826,600戸 273,100戸 167,900戸 9.7%
2008 3,029,000戸 322,600戸 191,700戸 10.7%
2013 3,266,300戸 355,000戸 210,700戸 10.9%
2018 3,384,700戸 346,200戸 199,400戸 10.2%

※出典:埼玉県「平成30年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要

 

埼玉県は、全国で最も空き家率が低い都道府県です。

全国平均の空き家率が13.6%であるのに対し、埼玉県は10.2%と10軒に1軒程度の空き家率にとどまっています。

賃貸住宅の空き家率は、ここ数年、空き家全体に対して60%前後で推移しており、大きな変動はありません。

市町村名 空き家率 市町村名 空き家率
1位 秩父市 19.6% 53位 吉見町 5.9%
2位 寄居町 18.3% 52位 吉川市 6.2%
3位 毛呂山町 15.9% 51位 松伏町 7.0%
4位 本庄市 14.8% 50位 白岡町 7.2%
5位 嵐山町 14.4% 49位 入間市 7.6%

※出典:埼玉県「平成30年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要

 

埼玉県の空き家率は国内で最も低いとはいえ、市町村ごとに空き家率には大きな開きがあります。

2018年時点で最も空き家率が高い秩父市は19.6%と5軒に1軒程度が空き家ですが、最も低い吉見町では5.9%と17軒に1軒程度。

やはり、東京から距離のある市町村は空き家率が高い傾向にあります。

4.埼玉県の持ち家・借家の割合

※埼玉県「平成30年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要」を基に弊社作成

 

埼玉県の住宅数は年々増加しており、持ち家の数も比例して増え続けています。

また、緩やかに持ち家率も増加しており、2018年は1998年に比べると2.6%上昇しています。

埼玉県の持ち家率は全国28位と平均的ですが、借家も多く存在しています。

市町村名 持ち家率 市町村名 持ち家率
1位 川島町 96.0% 53位 和光市 46.0%
2位 小川町 87.8% 52位 戸田市 46.5%
3位 松伏町 86.4% 51位 蕨市 50.2%
4位 吉見町 83.5% 50位 朝霞市 51.1%
5位 寄居町 82.7% 49位 草加市 56.0%

※埼玉県「平成30年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要 」を基に弊社作成

 

空き家率と同様に、市町村ごとに持ち家率にも大きな開きがあります。

持ち家率が低い和光市や草加市、蕨市、朝霞市、草加市は、2軒に1軒程度は借家です。

5.埼玉県の人口と世帯動態

※「埼玉県推計人口(時系列データ)」を基に弊社作成

 

埼玉県の人口は長らく増加を続けていましたが、2020年をピークに減少に転じました。

しかし、さいたま市や川越市など一部の市ではいまだ増加傾向が見られます。

一方、世帯数は現在も増加を続けており、毎年3万以上の新たな世帯が生まれています。

世帯数についても、さいたま市や川越市、川口市といった人口が多い市の増加数が目立つものの、他の市町村も横ばいから微減傾向にあります。

まとめ

東京のベッドタウンを多く抱える埼玉県は、人口が減少に転じたものの、世帯数が増加し続けています。

都内へ通勤・通学がしやすく、今後も一定の賃貸ニーズを維持するものと見られます。

都心部の不動産価格および賃料は高騰していることから、特に東京に近いエリアはより一層の需要増が見込まれる一方、競争は激化していくものと考えられるでしょう。

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監修者
吉田 佳祐【株式会社ランドネット】
吉田 佳祐【株式会社ランドネット】
賃貸仲介と管理の両方を知る在籍10年超のベテラン!入居中のトラブルや滞納のお悩みなどあらゆる難題に手腕を発揮。【資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・損害保険募集人一般【不動産業界歴】15年

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