【アパート経営】大阪の賃貸事情を解説!最新2024年版
賃貸市況
「天下の台所」として栄えた大阪は、現在も西日本の中心都市として活気にあふれ、東京都・神奈川県に次ぐ国内第3位の人口を誇ります。
日本経済研究所の調査によると、2024年4月までの半年間で、大阪のマンション価格の高騰率は世界15の主要都市の中で東京と並び首位。
さらに、国際金融都市構想が進行中で、国内外から注目を集めるエリアとして、ますますの発展が期待されているのです。
本記事では、大阪府とその中心地である大阪市に焦点を当て、賃貸市場の現状を、人口動態、世帯数の変化、空室率などのデータを基に解説します。
1.賃貸住宅市況【大阪府】【大阪市】
大阪府は、人口800万人超を誇る関西地方の都市です。
府庁所在地で西日本経済の中心地でもある大阪市は、直近10年間で人口が約10万人増加しています。
一方、大阪府全体でみると2019年をピークに人口減少に転じており、2020年以降は毎年1万人前後が減少しています。
世帯数は大阪市が牽引する形で伸びてはいるものの、空き家率は全国平均と比べて高い水準で推移しているのが特徴です。
賃貸住宅の着工戸数は、2020年に新型コロナの影響により大阪府全体で減少しましたが、翌年には再び増加へと転じました。
とくに大阪市の伸長率は高く、2022年には年間2万戸に迫る数の新築借家が着工されています。
人口減少の傾向が続くとみられる大阪府全体に対し、大阪市では人口増加が予想されます。
同時に賃貸住宅の需要も大阪市に集中し、若年層を中心とした人口流入が加速するでしょう。
2.賃貸住宅着工戸数
引用データ:「令和5年度大阪府統計年鑑」
大阪府では、2018年には年間34,000戸を超える賃貸住宅が着工されました。
2019年、2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり着工数が大幅に減少しましたが、2021年からは増加に転じ、2022年にはコロナ禍前を上回る35,000戸に達しています。
引用データ:大阪市計画調整局「大阪市の土地2022 地価・土地取引等の動向」
大阪市も同様の推移を見せており、2019年から一時減少した着工数は2021年に回復し、2022年にはコロナ禍前を上回っています。
3.人口・世帯動態
人口(人) | 世帯(世帯) | |
2013 | 8,854,702 | 3,882,108 |
2014 | 8,843,160 | 3,901,093 |
2015 | 8,839,469 | 3,923,887 |
2016 | 8,841,876 | 3,964,264 |
2017 | 8,839,768 | 4,002,780 |
2018 | 8,836,753 | 4,041,022 |
2019 | 8,839,702 | 4,090,134 |
2020 | 8,837,685 | 4,135,879 |
2021 | 8,807,279 | 4,164,292 |
2022 | 8,787,414 | 4,209,056 |
2023 | 8,774,574 | 4,253,267 |
引用データ:大阪府「大阪府の推計人口 令和5年(2023年) 年報」「令和5年度大阪府統計年鑑」
大阪府は緩やかな人口減少が続いており、毎年2、3万人ずつ減り続けています。
直近では減少のスピードが緩やかになったものの、少子高齢化の影響を食い止めることは難しく、2022年には880万人を割り込みました。
一方で、世帯数は順調な増加を見せています。
これは後述する大阪市の世帯数増加が押し上げ要因となっており、都市部を中心に単身世帯の増加がうかがえます。
人口(人) | 世帯(世帯) | |
2013 | 2,678,663 | 1,338,910 |
2014 | 2,679,808 | 1,345,055 |
2015 | 2,691,185 | 1,354,793 |
2016 | 2,702,316 | 1,375,843 |
2017 | 2,713,725 | 1,397,243 |
2018 | 2,725,855 | 1,419,499 |
2019 | 2,741,336 | 1,446,298 |
2020 | 2,752,412 | 1,469,718 |
2021 | 2,750,835 | 1,483,413 |
2022 | 2,756,807 | 1,506,249 |
2023 | 2,770,520 | 1,530,572 |
引用データ:大阪市「大阪市の推計人口年報(令和5年)」
大阪市の人口は、コロナ禍も大きな影響を受けず、ほぼ一貫して増加しています。
2021年には2,000人弱のわずかな減少があったものの、その後は再び増加に転じ、2023年には277万人超となりました。
世帯数も、ほぼ一貫して毎年2万世帯以上の増加が続いています。
大阪府全域における増加数の約50%を大阪市が占めており、今後も大阪市を中心に世帯増が見込まれます。
4.持ち家・借家の割合
持ち家(戸) | 借家(戸) | |
1998 | 1,631,400 | 1,591,900 |
2003 | 1,812,100 | 1,567,700 |
2008 | 1,951,800 | 1,575,100 |
2013 | 2,104,300 | 1,654,700 |
2018 | 2,160,900 | 1,627,400 |
引用データ:大阪府「住宅・土地統計調査の結果」
大阪府は着工戸数の増加にともない、順調に住宅数が増加しています。
大阪府全体でみれば、持ち家の増加が顕著ですが、借家の数が減っているということはありません。
持ち家(戸) | 借家(戸) | |
1998 | 419,370 | 658,400 |
2003 | 485,430 | 646,340 |
2008 | 514,050 | 676,400 |
2013 | 554,700 | 728,040 |
2018 | 558,800 | 751,400 |
引用データ:大阪市「平成30年住宅・土地統計調査結果(確報)」
持ち家の割合が高い府全体に対し、大阪市は借家の割合が高く、増加数も借家が持ち家を大きく上回っています。
実数でみても大阪府の半数近くの借家が大阪市に集中していることから、大阪市には高い賃貸需要があることがうかがえます。
5.空き家率
大阪 | 東京 | 全国 | |
1963 | 2.9% | 2.5% | 2.7% |
1968 | 5.3% | 4.0% | 4.0% |
1973 | 6.5% | 5.6% | 5.5% |
1978 | 9.8% | 8.1% | 7.6% |
1983 | 10.7% | 8.7% | 8.6% |
1988 | 11.0% | 8.5% | 9.4% |
1993 | 10.6% | 9.9% | 9.8% |
1998 | 13.0% | 11.0% | 11.5% |
2003 | 14.6% | 10.8% | 12.2% |
2008 | 14.4% | 11.1% | 13.1% |
2013 | 14.8% | 11.1% | 13.5% |
2018 | 15.2% | 10.6% | 13.6% |
2023 | 14.2% | 10.9% | 13.8% |
引用データ:大阪府「住宅ストックの活用関連データ集」・総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」
大阪府は全国平均に比べ、空き家率が高い都道府県です。
1998年以前までは10%台に留まっていましたが、以降は急速に空き家が増加。
2018年には過去最高となる15.2%まで空き家率が高まりました。
2024年9月に総務省から発表された「令和5年住宅・土地統計調査」の確報集計によれば、2023年の大阪府の空き家率は14.2%と5年前に比べ割合は低下。
しかし、全国平均や東京都と比べると高い水準となっています。
東京都区部 | 大阪市 | 福岡市 | 名古屋市 | 横浜市 | |
2008 | 13.0% | 16.7% | 14.7% | 13.2% | 9.7% |
2013 | 11.1% | 17.2% | 12.2% | 13.2% | 10.0% |
2018 | 10.3% | 17.1% | 10.5% | 12.7% | 9.7% |
2023 | 10.9% | 16.1% | 8.4% | 13.2% | 8.6% |
※総務省「住宅・土地統計調査」をもとに当社で作成
大阪市で見ても、空き家率の高さは変わりません。
他の主要都市と比べても、大阪市は突出して高い空き家率を示しています。
一方で、空き家率の大幅な増減はなく、17%前後の推移を続けています。
前述の通り、新規着工が増加している中で空家率に大きな変動がないことから、古い住居の解体も並行して行われていることが予想されます。
まとめ
西日本最大の都市である大阪府は、住宅は増加する一方で人口は減少傾向が続いています。
大阪市のような中心部では賃貸住宅と人口の増加のバランスが取れているものの、競争は激しく、空き家率は他のエリアより高い状況です。
大阪市以外のエリアでは人口の減少も顕著に見られることから、いずれのエリアも安定した賃貸経営は容易ではありません。
他物件と競合する中で入居者を確実に獲得するためには、リーシングに強い管理会社への委託がより重要になってくるでしょう。
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