【兵庫県】賃貸経営の市況解説！世帯数・着工戸数・家賃-2025年版

関西の玄関口として発展を続ける兵庫県は、オフィス近接の利便性と住環境の快適さを両立させたエリアとして高い賃貸需要があります。

近年では神戸医療産業都市の拡大、播磨科学公園都市におけるものづくり産業の集積、さらに但馬・淡路地域での観光開発など、県内各地で多様な開発計画が進行中です。

日本は人口だけでなく、エリアによっては世帯数も減少し始めていますが、兵庫県や神戸市、姫路市などの主要都市では依然として世帯数が増加しています。

そこで本記事では、兵庫県の賃貸市況を人口動態と世帯数の変化などの観点から解説します。

1.兵庫県-人口と世帯数

引用データ：兵庫県「推計人口」より当社作成

※各年10月分から集計

 

兵庫県の人口は、直近15年間で減少の一途をたどっています。

減少数は年を追うごとに増えており、2010年代の減少数は5,000～1万人ほどだったものの、2020年以降は毎年3万人前後の減少が続いています。

一方、世帯数は2012年以降、右肩上がりで増加しています。

神戸市・姫路市・西宮市-人口と世帯数

引用データ：兵庫県「推計人口」より当社作成

 

兵庫県の主要都市である神戸市・姫路市・西宮市は、いずれも直近では人口減少傾向にあるものの、兵庫県と同様、世帯数は増加しています。

神戸市は兵庫県最大の都市であり、最も多くの人口を有しています。

人口は兵庫県全体と連動するような動きを見せており、2020年以降に人口減少が加速しているのも同様です。

 

姫路市・西宮市の人口も減少へと転じています。

姫路市は2006年の市町合併後、緩やかな増加を続けていましたが、2012年の53万7,000人をピークに減少に転じました。

西宮市は震災復興にともなう住宅建築の影響を受け転入者の増加が続きましたが、2016年の48万8,000人をピークに減少傾向に入っています。

一方、いずれの市も世帯数は増加傾向が続いていることから、兵庫県内では核家族化や単身世帯の増加がうかがえます。

2.兵庫県-住宅総数に占める貸家

引用データ：統計局「住宅・土地統計調査」より当社作成

 

兵庫県内における住宅総数は直近20年間で約40万戸増加し、貸家の割合も高くなっています。

一方、居住世帯がない空き家の割合は、14%前後で推移。

2023年10月時点の全国の空き家率は13.8％で、兵庫県内の空き家率は全国平均と比べるとやや高い水準です。

持ち家・借家の割合

 

引用データ：統計局「住宅・土地統計調査」より当社作成

 

兵庫県は住宅総数のうち、約3割が借家です。

神戸市は貸家率がさらに高く、約4割を賃貸物件が占めます。

空き家に占める賃貸住宅の割合

引用データ：統計局「住宅・土地統計調査」より当社作成

 

直近のデータでは、兵庫県内における空き家のうち賃貸用物件が占める割合は4割強です。

数自体は増加傾向にあるものの、2003年時点では5割を超えていたため、賃貸需要が高まっている様子がうかがえます。

3.兵庫県-貸家の着工戸数

引用データ：兵庫県「市町別新設住宅着工戸数」より当社作成

 

兵庫県内における新設着工数は、毎年1万1,000戸ほどです。

そのうち、神戸市が最も多くを占めていますが、近年では尼崎市や姫路市、西宮市の着工戸数も増加していることから、賃貸需要が広がりを見せています。

4.兵庫県-平均家賃

引用データ：全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向」より当社作成

※各年12月時点のデータを抜粋

 

兵庫県内の平均家賃は5万円台中盤から6万円の間で推移しています。

2022年には一時的に5万6,000円台まで下落しましたが、その後は上昇傾向に転じ、2024年には6万円の大台を突破しました。

なお、兵庫県の家賃は東京の8割程度の水準です。

これは神奈川、大阪、京都に次ぐ水準であり、福岡県と同じくらい。

市場から高く評価されている証明といえるでしょう。

まとめ

多彩な魅力を持つ兵庫県は、安定性と成長性を兼ね備えた関西経済圏の一角を占めるエリアとして注目を集めています。

一方、他府県の例に漏れず人口は減少傾向にあるため、賃貸経営においても戦略的な取り組みが求められます。

個性豊かな競合物件が立ち並ぶエリアで収益を得るためにも、リーシングに強い管理会社への管理委託を検討するとよいでしょう。

 

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