【京都府】賃貸経営の市況解説2025―人口＆世帯数・貸家の着工数・家賃動向

世界的な観光都市であり、数多くの大学を抱える京都府は、国内外からの移住者や学生で常に活気あふれるエリアです。

伝統と革新が共存する街並みは、賃貸住宅市場においても独特の魅力と需要を生み出しています。

近年、京都駅周辺では再開発が進み、利便性や都市機能がさらに向上。

快適な居住エリアとしての注目が集まっています。

本記事では京都府の賃貸市場について、人口・住宅事情・家賃相場などのデータから詳しく解説します。

1.京都府-人口と世帯数

京都府「京都府推計人口」を基に弊社作成

 

京都府の人口は、直近の10年間で約10万人減少しました。

一方、世帯数は堅調に増加しています。

直近10年間では一度も減少することなく、毎年数千世帯ずつ増え続けており、コロナ禍以降は増加率が拡大。

世帯あたりの人口は減っていますが、大幅な減少は見られず、世帯あたり2人以上の水準を維持しています。

京都市・宇治市・亀岡市

京都府「京都府推計人口」を基に弊社作成

 

京都府内の市町村における人口トップ3は、京都市・宇治市・亀岡市です。

3市とも人口・世帯動態の傾向は類似しており、世帯数は増加傾向に、人口は減少傾向にあります。

京都府全体の人口減少率と京都市を比較すると、京都市の減少割合は低めです。

2020年の京都府内における京都市の人口割合は56.78%でしたが、2024年には57.01%まで拡大。

劇的な変化ではありませんが、京都府内における人口減少速度には、地域ごとに一定の差があることがうかがえます。

2.京都府-住宅総数に占める借家の割合

次に、住宅総数や空き家の事情を解説します。

1）住宅総数

統計局「住宅・土地統計調査」より弊社作成

 

京都府の住宅総数は1,372,200戸(2023年)です。

直近20年で約17万戸(14％)増加しています。

また、居住世帯のある住宅は1,182,900戸(2023年)で、住宅総数のうち86％を占めています。

2）借家が3割

住宅総数のうち3割が借家です。

戸数にして賃貸住宅416,200戸となります。

持ち家のほうが717,700戸と多いことがわかります。

3）空き家の4割が賃貸住宅

増加傾向にある空き家ですが、そのうち4割を賃貸住宅が占めています。

ただ、空き家となっている賃貸住宅の数が大きく変動しておらず、古い物件の取り壊しと新築のサイクルができていることがうかがえます。

そのため、京都府は安定した賃貸需要があるといえるでしょう。

3.京都府-新設住宅の着工数

京都府「京都府統計なび・建築着工統計調査」を基に弊社作成

 

京都府内における新設住宅の着工数は、減少傾向にあります。

ただ、持ち家の新設着工数については大きな変動がなく、貸家が減っている状態です。

2015年は、貸家の数が持ち家の1.4倍以上でしたが、2019年には両者の数がほぼ同数になっています。

4.京都府-平均家賃

全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向」を基に弊社作成

※各年12月時点のデータを抜粋

 

京都府内の平均家賃は、長らく5万5,000円前後で推移していましたが、2017年の大幅な下落以降は継続的な上昇に転じています。

直近の5年の上昇幅は3,000円以上です。

全国的に見ても京都府の家賃は高水準で、2024年における全国の家賃平均が東京比で73%であるのに対し、京都府は77%と上回っています。

近年、東京都の賃料上昇が著しく、東京比は低下していますが、以前には80%を超えていた時期もあったことを踏まえると、京都府は全国的に見て高い家賃が得られるエリアであると言えるでしょう。

まとめ

世界的な観光都市であり、学生の街でもある京都府は、伝統と革新が共存する独特の魅力を持つエリアです。

賃貸住宅の新設着工数に減少傾向が見られますが、今後は京都駅周辺の再開発による利便性の向上が見込まれることから、賃貸需要の回復が期待できます。

近年では京都駅周辺を中心に、在留外国人が増加しています。

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