不動産投資ローンの落とし穴「デッドクロス」を回避する戦略

貸したい

ローンを利用したマンション経営で避けて通れない「デッドクロス」。

デッドクロスの仕組みや回避方法を理解していなければ、将来的に資金繰りが悪化する事態になるおそれがあるため、マンション経営では欠かせない知識だといえます。

マンション経営において、デッドクロスの影響をうまくコントロールすることこそがキャッシュフロー最大化のために必要なスキルです。

そこで本記事では、デッドクロスが発生する仕組みや回避する方法について解説します。  

1.不動産投資におけるデッドクロスとは?

不動産投資におけるデッドクロスとは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態のことです。

デッドクロスを迎えると帳簿上の利益が出ているにもかかわらず、実際の所得よりも課税所得のほうが高くなってしまい、税引き後の現金が残らなくなる可能性が高くなります。  

デッドクロスは一定のローンがあると発生するもので、赤字になるケースも考えられる危険な状態です。

マンション経営をするからには、デッドクロスの原因と回避方法についてよく理解しておく必要があります。

2.不動産投資でデッドクロスが発生する3つの理由

デッドクロスは「ローン元金返済額>減価償却費」という状態です。

デッドクロスは、帳簿上の利益とキャッシュフローが異なることから生じます。

では、具体的にどのような場合にデッドクロスが生じるのでしょうか?

1)不動産の減価償却が進み経費として計上できなくなるため

建物や設備などの減価償却資産は、時間の経過とともに古くなり、その価値が減っていくものです。

税法で定められた法定耐用年数にしたがって減価償却資産を取得するのにかかった金額を一定期間にわたり経費として計上していく手続きを「減価償却」、計上する金額を「減価償却費」と言います。

減価償却費は実際に現金の支出がない経費として計上できる費用なので、手元のお金を減らすことなく、帳簿上の利益を圧縮できます。  

例えば、法定耐用年数20年の投資物件を5,000万円で購入したケースを考えてみましょう。

購入した投資物件5,000万円を20年に分けて経費とするので、毎年250万円の減価償却費が計上できます。

この250万円の減価償却費は、現金の支出がなく経費として計上できる費用です。

その分の利益を圧縮できるため、キャッシュフローにプラスの効果をもたらします。

  ただし減価償却期間が過ぎると、経費として計上できる減価償却費がなくなるため、所得が増え、税金の増加に繋がります。

デッドクロスを迎えた以降は不動産所得が増加し、納税額が毎年増え、税引き後キャッシュフローが減っていきます。

2)ローン返済が進むことで経費にできる利息が減るため

ローンの返済方法は大きく「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類です。

元利均等返済は、初期の返済額が少なくキャッシュフローは多くなります。

経費化できない元本部分は前半には少なくて済みますが、徐々に増えて後半は大きくなります。

  元金均等返済は、初期の返済額は多いのですが、総返済額が少なくなります。

経費化できない元本部分は、期間を通じて一定です。 どちらを選択してもローン返済の利息は、経費として計上できます。

利息を計上すると利益を圧縮できるため、その分の税金を抑えることが可能です。

  しかし、ローンの返済が進むにつれて利息が徐々に減り、経費化できない元本部分の割合が増えていきます。

そのため、どこかのタイミングで減価償却費と逆転するデッドクロスを迎えます。

3)築年数の経過に伴い家賃収入が減るため

減価償却費や利息など経費計上できる費用が減少しても、家賃収入が十分にあればデッドクロスが生じる可能性は下がります。 しかし、築年数の経過に伴い家賃収入が減少すると、デッドクロスに耐え切れなくなり、キャッシュフローが赤字になるケースも考えられます。

※横スクロールできます。
経過年数 元金返済額 減価償却費 デッドクロス
1年 3,118,422円 5,000,000円     デッドクロスではない
2年 3,181,365円 5,000,000円
3年 3,245,580円 5,000,000円
4年 3,311,089円 5,000,000円
5年 3,377,921円 0円           デッドクロスの状態
6年 3,446,103円 0円
7年 3,515,660円 0円
8年 3,586,619円 0円
9年 3,659,013円 0円
10年 3,732,868円 0円
11年 3,808,216円 0円
12年 3,885,081円 0円
13年 3,963,498円 0円
14年 4,043,498円 0円
15年 4,125,067円 0円

  この事例の場合、4年目までは「元金返済額<減価償却費」で、減価償却費のほうが多い状態です。

しかし、5年目以降は減価償却費が0円になるので「元金返済額>減価償却費」となり、デッドクロスを迎えます。

減価償却費が0円になると、経費として計上できる費用が少なくなり、所得が増加します。

それに伴い所得税が増え、キャッシュフローの減少に繋がります。

3.不動産購入前にデッドクロスを回避する方法

デッドクロス(元本返済>減価償却費)の状態になったとしても、即座にマンション経営が破綻するわけではありません。

十分なキャッシュフローが確保されていれば、納税額が上がったとしても税引き後の利益は得られます。

デッドクロスが発生する理由や時期がわかっていれば回避も可能です。

1)頭金を多めに入れて借入を少なくする

頭金(自己資金)を多めに入れておけば返済比率が低くなるため、キャッシュフローが多くなります。

キャッシュフローが確保できていればデッドクロスを迎え、税金が急激に増えたとしても赤字リスクを抑えたマンション経営が可能です。

頭金を多めに入れて融資を受けることで、安全性の高いマンション経営ができます。  

しかしそれでは、不動産投資のメリットであるレバレッジ効果が薄れるといったデメリットも。

投資物件を1棟だけでなく、これからも買い進めるのであれば、自己資金を手元に確保していたほうが金融機関から融資を受けやすいといった側面もあります。

どの程度の頭金を入れたらデッドクロスを回避できるか、今後の投資計画も含めて事前にシミュレーションをして把握しておきましょう。  

ちなみに、デッドクロスは融資を利用したときに起こるものなので、現金で投資物件を購入した場合は発生しません。

2)元金均等返済で借りる

元利均等返済は毎年元金の返済額が増えていくため、デッドクロスが生じやすくなります。

しかし、元金均等返済であれば元金の返済額が一定であるため、デッドクロスのリスクを抑えられます。

ただし、元金均等返済は初期の返済額が多くなるため、キャッシュフローが少なくなります。

初期段階におけるキャッシュフローが赤字にならないか、シミュレーションした上で選択するようにしましょう。

3)減価償却期間の長い新築や築浅の物件を購入する

新築や築浅の物件であれば減価償却期間が長くとれるため、デッドクロスのリスクを回避することが可能です。

返済が進むにつれて元金返済額が増えたとしても、減価償却期間が長ければ、その分デッドクロスの時期を遅らせることができます。

検討する物件の融資期間とデッドクロスの時期をシミュレーションし、減価償却期間が長くとれる新築や築浅の物件を購入すると良いでしょう。

4)シミュレーションをする

不動産を購入する前にシミュレーションをしておくと、デッドクロスの時期は予測できます。

デッドクロスの時期を事前に把握することにより、回避する対策をあらかじめ立てた上で購入できるため、過度におそれる必要はありません。

事前にシミュレーションをして元金返済額と減価償却費の推移やデッドクロスの時期を確認し、融資条件を調整すればリスクを回避できます。

4.不動産購入後のデッドクロスを回避する方法

ローンを組んで投資物件を購入すると、遅かれ早かれデッドクロスを迎えます。

とはいえ、方法次第でデッドクロスを回避する、あるいは遅らせることができるため、マンション経営をする投資家は理解しておく必要があるでしょう。

1)繰り上げ返済をする

手元の資金に余裕がある場合や、マンション経営で得たキャッシュフローに余力があるときには、繰り上げ返済も検討すると良いでしょう。

繰り上げ返済すると毎月の返済額が減少するだけでなく、経費にならない元金が減るので、デッドクロスの影響を回避できます。

  繰り上げ返済するためには、減価償却費を大きくとれている間に家賃収入を貯めておきましょう。

ただし、繰り上げ返済をするよりも新たな物件を購入したほうが投資効率としては良いケースもありますので、綿密なシミュレーションをしてから判断することが大切です。

2)借り換えして金利を下げる・返済期間を延ばす

デッドクロスを回避する方法として、ローンの借り換えも効果的です。 ローンを借り換えて金利を下げる、あるいは返済期間を延ばすと、毎月の返済額が少なくなるためデッドクロスに陥るリスクを回避できます。

デッドクロスを迎える時期を確認し、借り換え後の金利や返済期間などの条件を再度シミュレーションして、金融機関に相談してみましょう。

3)新たに投資物件を購入する

既に所有している投資物件は減価償却が済んでいくと、徐々に節税効果が薄くなっていきます。

新たに投資物件を購入すると減価償却費を追加で計上できるため、合計で「減価償却費>元金返済金額」となり、デッドクロスに陥るリスクを回避することが可能です。

  ただし、この方法はデッドクロスの影響を先送りしているだけなので、回避するには投資物件を購入し続けなければなりません。

購入が止まった瞬間にデッドクロスを迎えるおそれがあるため、注意が必要です。

物件を増やし続けることは現実的ではないため、デッドクロスだけに捉われない長期的な投資戦略も求められます。

4)不動産を売却する

デッドクロスを迎える前に、不動産を売却するのも効果的です。

不動産を手放してしまえばデッドクロスの影響を受けないので、資金繰りは悪化しません。

  不動産投資は出口戦略が重要です。 出口戦略で失敗してしまうと、保有期間中のキャッシュフローが台無しになってしまう可能性もありますので、売却する際は慎重な判断が求められます。

売却益が発生すれば、より新しく・好立地な物件へと資産を入れ替えることもできるでしょう。

まとめ

マンション経営をするからには、デッドクロスについて理解しておく必要があります。

理解していない状態だと、回避する対策をとらずにデッドクロスを迎えてしまい、資金繰りが悪化する可能性が高くなります。

最悪の場合、黒字倒産など取り返しのつかない事態になるおそれがあるので注意が必要です。

減価償却や元金返済などデッドクロスが発生する仕組みを正しく理解し、投資物件の購入前に綿密なシミュレーションをすることで回避できます。

投資シミュレーションの判断をする際には、不動産のプロフェッショナルの視点から見たアドバイスがあるとより安心できるでしょう。

ランドネットは、オーナー様の頼れるパートナーとして、賃貸管理に関わる全ての業務を代行しております。

シミュレーションを基にした安全性の高いマンション経営を目指したいとお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

オーナー様へ

その賃貸管理のお悩み
ランドネットにお任せください!

  • 1棟アパート・区分マンションの空室対策に特化
  • 入居率98.63%(2025年11月時点)
  • 首都圏メインに全国16エリアで管理
  • 管理戸数9,781戸(2025年11月時点)
  • 管理手数料は月額賃料の3.3%〜

満室経営を全面的にサポートします。
まずは『無料相談』をご利用下さい!

監修者
稲田 正太【株式会社ランドネット】
稲田 正太【株式会社ランドネット】
賃貸仲介の会社で営業を4年間経験。入居者目線を取り入れた賃貸管理の提案で満室経営に導く!【資格】宅地建物取引士・土地活用プランナー【不動産業界歴】9年

こちらの記事も人気です

お問い合わせ
CONTACT

株式会社ランドネット賃貸事業部へのお問い合わせは下記よりお願い致します。
賃貸管理や入居のご相談など、お気軽にお問い合わせ下さい。