排水管のトラブルとは?事前対策も紹介【賃貸オーナー向け】

漏水・雨漏り

排水管は時間の経過とともに劣化する箇所でもあり、入居者の使い方によってもトラブルが起こりやすい場所でもあります。

アパートやマンションで排水管のトラブルが起きると、当事者の部屋だけでなく、階下の部屋にも影響を与えるケースがあり、その場合は大きな問題に発展してしまいます。

賃貸オーナーとしては、排水管のトラブルが発生しないように事前に対策をしておきたいところでしょう。 そこで今回は、排水管トラブルの事例と排水管トラブルを未然に防ぐ対策についてご説明します。

1.アパートやマンションの排水設備でよくあるトラブル

アパートやマンションで起こりやすい排水管トラブルの事例をいくつかご紹介します。

1)排水管が劣化して水漏れする

排水管には寿命があります。 耐用年数は排水管の素材によって異なりますが、劣化していると地震などの影響によって亀裂が入りやすく、亀裂から水が漏れるケースがあるのです。

排水管が設置されているのは、キッチンや浴室、洗面所、トイレですが、配管は床下を通してあるため、床下部分から水漏れするケースもあります。

床下の排水管に亀裂が入っていた場合は、漏れた水は下の階の天井に伝わり、階下の部屋に被害を与えてしまいます。

2)排水管が詰まって、流れが悪くなる

キッチンでは食品に含まれる油分や食材の残り、浴室や洗面所では洗剤やシャンプーと一緒に髪の毛やほこり、皮脂汚れなどが流れるため、これらが排水管の内部に付着すると、排水管が詰まります。

排水管が詰まると、流れが悪くなるだけでなく、最悪の場合には水が逆流してしまう可能性もあります。

排水管が詰まってしまうと、キッチンや浴室が使えなくなるため、入居者は非常に不便な状態を強いられます。

3)悪臭が発生する

排水管が汚れ始めると、管の内側にぬめりが生じ、油や髪の毛、食べ物のカスなどがひっかかりやすくなります。

汚れが溜まると、汚れに含まれる油分や食べ物のカスが腐食したり、内部で雑菌が繁殖したりするため、排水管から悪臭が漂い始めます。

また、排水管の接続部分がずれてしまっているために、悪臭が発生するケースもあります。

4)トイレの排水管が詰まって、流せなくなる

トイレの排水管が詰まってしまうと、流れが悪くなります。 トイレットペーパーを大量に流してしまったり、異物を流してしまったりなど、入居者の使い方の問題でトラブルが起きる場合もありますが、劣化によって流れが悪くなるケースがあることをご存じでしょうか。

尿に含まれるカルシウム分は、固まると尿石と呼ばれる硬い物質に変化します。

配管内に尿石が溜まってしまうと、なかなか取り除くことができず、トイレの水が流れにくくなるのです。 さらに、排水管内に尿石が蓄積すると、水が逆流してあふれ出してしまうこともあります。

2.アパート・マンションの排水設備トラブルはオーナーの責任?

所有するアパートやマンションで排水管が詰まるなどのトラブルが生じた場合は、清掃や修理などを行わなければなりません。

では、排水管のトラブルが生じた場合は入居者に責任があるのでしょうか、それともオーナーが責任を負うのでしょうか。

排水管トラブルの責任は、トラブルの原因やトラブルの発生箇所によって責任の所在が変わります。 オーナーの責任となるケースと入居者の責任となるケースについてご説明します。

1)オーナーの責任となるケース

屋外の排水管や排水桝、浄化槽などの排水設備にトラブルが生じた場合は、オーナーに責任があります。

また、室内の排水管に問題が生じた場合であっても、劣化によって生じた亀裂や長年の汚れの蓄積で生じた詰まりなどは、オーナーが責任を持って清掃や修理をしなければなりません。

2)入居者の責任となるケース

室内の排水管の清掃を怠っていたことや異物を流したことなどが原因で詰まりが生じたような場合は、入居者の責任となります。

3)排水管トラブルの原因を調査しなければ、責任の所在ははっきりしない

入居者の責任で水漏れや詰まりが発生したのか、経年劣化によるトラブルなのかどうかは、トラブルの原因を調べなければはっきりしません。

排水管トラブルが生じた際には、入居者の自己判断で修理をするのではなく、管理会社やオーナーに相談してほしい旨をあらかじめ伝えておきましょう。

3.アパート・マンションの排水管トラブルを防ぐための対策とは

アパートやマンションの排水管トラブルは、できれば未然に防ぎたいものです。 排水管トラブルを避けるためにできる事前対策をご紹介します。

1)排水管は耐用年数に応じて交換する

排水管の劣化が原因で水漏れが生じた場合は、オーナーの責任で排水管の交換や水漏れ箇所の修理をしなければなりません。

もし、引っ越してきてすぐに水漏れが生じたような場合は、入居者にも悪印象を与えることになってしまいます。

耐用年数が近づいているようであれば、トラブルが発生する前に排水管の交換をしておくと安心です。

2)入居者にこまめな清掃を促す

入居者の使い方によっても排水管の詰まりやすさは変わってきます。 キッチンには油をそのまま流したり、食べ物のカスを流したりしないように伝えたり、排水溝のこまめな清掃を促すとよいでしょう。

3)排水管の高圧洗浄を行う

排水管に汚れが溜まっていると悪臭の原因や、詰まりの原因になるだけでなく、コバエやゴキブリなどの害虫も発生しやすくなります。

定期的に排水管の高圧洗浄を行うと、排水管内部の汚れや異物を取り除けるため、悪臭や排水管の詰まりなどを解消できます。

トラブルが起きてからの対処となるとより費用が高額になり、入居者にも不便をかけることになってしまうため、定期的に排水管の洗浄を行うとよいでしょう。

4)排水桝や浄化槽の定期的な清掃・交換を行う

排水桝は下水道に排水を流入させる前に、排水に混ざっているゴミや汚れを沈殿させる設備です。 排水桝に汚れが溜まってしまうと、排水の流れが悪くなるほか、排水が逆流してしまうことがあります。

排水桝の定期的な清掃を行いましょう。   下水道が整備されていないエリアでは、排水を浄化する浄化槽設備が必要です。

浄化槽は年に1回(全抜気型の浄化槽は半年に1回)の清掃が義務付けられています。 浄化槽の清掃を怠ると悪臭が生じるほか、汚物が流出してしまうこともあるため、必ず定められた頻度で清掃を行いましょう。

まとめ

排水設備を巡るトラブルは、賃貸アパートやマンションで発生しやすい問題です。

入居者に非がある場合であってもオーナーに責任がある場合であっても、賃貸物件で排水管にトラブルが生じた場合、入居者はまずオーナーや管理会社に相談をします。

このとき、すぐに電話がつながらなければ被害が広がり、入居者の不満も膨らんでいくでしょう。   いくら事前対策を行っていても排水管トラブルを完全に防ぐことはできません。

また、トラブルがいつ起きるかも予測できず、トラブル発生時には急いで対応しなければならないことがほとんどです。

自主管理をされている場合は、不測の事態に備え、トラブル発生時にも迅速に対応できる体制を持つ管理会社に管理を委託してみてはいかがでしょうか。

オーナー様へ

その賃貸管理のお悩み
ランドネットにお任せください!

  • 1棟アパート・区分マンションの空室対策に特化
  • 入居率99.01%(2025年1月1日現在)
  • 首都圏メインに全国17エリアで管理
  • 管理戸数8,939戸(2025年1月1日現在)
  • 管理手数料は月額賃料の3.3%〜

満室経営を全面的にサポートします。
まずは『無料相談』をご利用下さい!

監修者
西原 勇太【株式会社ランドネット】
西原 勇太【株式会社ランドネット】
賃貸仲介・管理をはじめ売買や開発に携わり、不動産の総合キャリアを構築。多角的な視点と提案でオーナーの賃貸経営をサポート!【資格】宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター【不動産業界歴】17年

こちらの記事も人気です

お問い合わせ
CONTACT

株式会社ランドネット賃貸事業部へのお問い合わせは下記よりお願い致します。
賃貸管理や入居のご相談など、お気軽にお問い合わせ下さい。