一軒家をシェアハウスにする手順は?届出や経営ポイントも解説

収益アップ

家賃収入を得る方法として、シェアハウス経営があります。

シェアハウスは部屋数が多く、共用スペースも確保しやすい一軒家を転用して運営するのがおすすめです。

入居者が多くなれば高利回りで運営できるため、シェアハウス運営に関心を持つ不動産オーナーも少なくありません。

本記事では、一軒家をシェアハウスに変更する手順のほか、注意点運営ポイントも解説します。

1.シェアハウス経営とは?

シェアハウス経営とは、1つの物件を複数人の入居者に貸し出して家賃収入を得る賃貸経営のことです。

一般的な賃貸物件と比べて、入居者の入れ替わりが多いほか、リビングやキッチンが共有スペースとなるため、住人同士の交流が生まれやすいといった特徴もあります。

入居者が物件をシェアして生活するため、プライバシーが守れる個室の多い一軒家での運営が望ましいでしょう。

2.シェアハウス経営がおすすめの理由

所有する一軒家をシェアハウスに変更して賃貸経営を始めた場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。 

1)収益性が高い

シェアハウスのメリットは、収益性の高さです。

オーナーは各部屋の住民から一部屋+共用部分の家賃を徴収できるため、1つの物件をひとりに貸し出すよりも高い家賃収入が見込めます。

例えば、家賃12万円に設定していた一軒家を一部屋あたり5万円で3人に貸し出せば、合計で3万円の収入アップが見込めるようになるのです。

入居者にとってシェアハウスは専有できる空間が少ないですが、1つの物件を1人で借りた場合よりも家賃を抑えることができます。

2)空室リスクが低い

一般的な賃貸物件は住民が退去すると家賃収入がゼロになります。

借り手がつかない時期はそのまま無収入になりますので、オーナーは金銭面だけでなく精神面でも不安を抱えることになるでしょう。

シェアハウスの場合、一部屋の住民が退去しても、他の部屋が入居中であれば収入はゼロになりません。

全員が同時に退去しない限り一定の家賃収入が見込めますので、賃貸経営上の計画が立てやすいメリットがあります。

3)不動産にかかる税金が安くなる

自分や家族が住む住居として使用している一軒家をシェアハウスにする場合、税金が安くなる可能性があります。

固定資産税や相続税といった不動産にかかる税金は、不動産の評価額が税額の算出基準です。

評価額は不動産の用途によって変動し、自分で使う土地である「自用地」に比べ、他の人に貸す自己所有の建物が建っている土地である「貸家建付地」のほうが評価額が低くなります。

そのため、税額も安くなるのです。

4)コミュニティにより他の物件と差別化しやすい

シェアハウスに人気が集まる理由のひとつに、「コミュニティが形成できる」という点があります。

「音楽好きな人」「映画好きな人」「国際交流がしたい人」といったコンセプトを打ち出せば、同好の士との交流を求める入居希望者が集まりやすくなるでしょう。

「楽器好きの人が集まって一緒に演奏を楽しめる」「週末にはいろいろな国籍の人とパーティーができる」といった評判が定着すれば、ファンがファンを呼び入居希望者が順番待ちをしているような状況を作れるかもしれません。

3.必要な届出

一軒家をシェアハウスとして運用するには、寄宿舎への用途変更となるため、届出が必要になります。

建築基準法や消防法など関係法令への対応が迫られるため、まずは建築士やシェアハウスの管理会社に相談しましょう。

4.所有物件をシェアハウスに変更する初期費用

一軒家をシェアハウスに転用する場合、初期投資の費用として以下が発生します。

  • リフォーム代 :200~500万円
  • 家具備品の購入・設置 :100~300万円

 

すでに所有する一軒家を転用するなら、新たに建物や土地を購入する費用はかかりません。

しかし、入居者を確保するためには、コンセプトに合った内装や外観に変更する必要があり大規模なリフォームが必須です。

防音に力を入れるなど特殊な工事は費用も高額になる傾向があるため、十分な資金を確保しておきましょう。

 

また、シェアハウスは家具・家電の設置が一般的なため、共用部や各居室へそれぞれ備品の設置が必要です。

各部屋一台のエアコン、テレビは必須と考えていいでしょう。

エアコンは本体だけでなく設置工事費用がかかるため、部屋数が多いほど費用は高額になります。

 

ちなみに、上記は物件を所有している場合に必要な費用です。

シェアハウス用の物件や土地をこれから購入する場合、不動産の購入費用やローン手数料、登記上の用途を変更する地目変更手続き費用などが発生するため、資金計画は慎重に立てる必要があるでしょう。

5.一軒家をシェアハウスに転用する手順

まとめ

所有する一軒家をシェアハウスに転用するための手順を解説します。

1)コンセプトの決定

まずは、シェアハウスの個性となるコンセプトを決めましょう。

コンセプトは年齢・性別・趣味・ライフスタイルを基準にしたものが想定されます。

  • 若者向け
  • 高齢者向け
  • 女性向け
  • ゲーマー向け
  • ペット可
  • 楽器演奏可
  • 国際交流

シェアハウスのコンセプトは、入居者希望者にとって物件選びに欠かせない要素です。

また、物件に集まる入居者の属性を左右するため、しっかり固めておく必要があります。

立地やトレンド、オーナーの趣味嗜好を考慮して決定するのもおすすめです。

2)管理会社の選定

オーナー自身がシェアハウスを管理することもできますが、シェアハウスは一般の賃貸物件に比べ管理に手間がかかるため、専門の管理会社に依頼するのが安心でしょう。

ただし、シェアハウスに対応する管理会社は数が少なく、探すのが難しい場合も。

地域によっては近隣に管理会社がなく、遠隔地の管理に対応できる管理会社を探さなければならないかもしれません。

3)リフォーム・修繕

はじめに決めたコンセプトに従い、物件をリフォームします。

シェアハウスは建築基準法上の「寄宿舎」に該当し、一般的な住居とは基準が異なります。

各部屋の間仕切りを準耐火構造にするといった変更が必要なケースもあるため注意が必要です。

その他、ペット用ケージの設置や音を出しても響かない防音壁にするなど、コンセプトにあったリフォームを行い、住民が過ごしやすい環境を作りましょう。

シェアハウス向けの改修は、一般的な住居ではあまり行われないようなリフォームが必要になる場合があるため、過去にシェアハウスを手がけた実績がある会社に依頼するのがおすすめです。

また、経験豊富であるほどオーナーの意向を理解してもらいやすくなりますので、安心して改修を任せられる会社に出会えるまで話を聞くとよいでしょう。

4)備品・設備の整備

入居者を迎える準備のひとつが、備品・設備の整備です。

シェアハウスは一般的に、家具・家電が備え付けられている賃貸物件と認識されています。

共用部の冷蔵庫・電子レンジや調理器具だけでなく、各部屋のテレビや収納家具など、入居者が快適に暮らせる備品・設備を用意しましょう。

なお、シェアハウスの開業に必須の備品・設備の種類・数量などに関する規定はありません。

入居者へのサービスであると同時に、コンセプトに合った物件デザインの一環ですので、オーナーが考える適切な内容の備品・設備を設置するとよいでしょう。

5)入居者募集

シェアハウスを運営する用意が整ったなら、いよいよ入居者の募集を開始します。

シェアハウスの入居者募集は、仲介会社を通さずに行われるのが一般的です。

シェアハウス専用のポータルサイトへの登録やSNSで募集し、入居希望者はオーナーや管理会社に直接連絡して入居交渉を経て手続きを行います。

賃貸アパートやマンションの賃貸契約について仲介会社を通じて結ぶ場合、仲介会社は宅地建物取引業(宅建業)の登録を済ませておく必要があり、契約時には宅地建物取引士(宅建士)による重要事項説明が必須です。

しかし、オーナーまたは管理会社が貸主となる契約では、宅建業の登録や宅建士による重要事項説明が不要となるため、申し込みから入居までをスムーズに行えます。

6.シェアハウス経営の注意点

メリットが多いシェアハウス経営ですが、一般的な賃貸借契約にはない注意点があります。

全てのオーナーにとって有利な投資手法とは限らず、所有する物件の特徴や実現可能な管理体制を考えておくことが必要です。

1)管理委託費用が高い

シェアハウスは、管理会社に支払う管理委託費用が高額になる傾向があります。

一般的な賃貸物件の管理委託費用は家賃の5~10%程度が相場ですが、シェアハウスは管理の手間がかかりやすいため、20%以上請求されることも少なくありません。

シェアハウス経営は、家賃収入と同時に管理委託費用も上がり、手元にお金が残らないというケースも。

地域によっては管理会社の選択肢が少なく値引き交渉が難しい場合もありますが、できるだけ複数の管理会社を比較して委託先を選ぶのが望ましいでしょう。

2)部屋数が必要

シェアハウスは1つの物件にある複数の部屋にそれぞれ住民が入居します。

5、6部屋あるような一軒家は転用に向いていますが、2LDKのマンションなど部屋数が少ない物件はシェアハウスにあまり向いていません。

また、部屋数は多くても共用部が狭い物件は、集まった住人が息苦しさを感じてしまいます。

所有する物件がシェアハウス向きなのか、シェアハウスへの転用を検討する際には管理会社と相談し、十分なシミュレーションを行いましょう。

3)マンションは規約で転用できない場合あり

3LDK以上で各部屋6畳以上の広さがあるような物件はシェアハウス向きだといえます。

しかし、マンションは管理規約でシェアハウスへの転用を禁止している場合があるため、全ての物件が転用できるとは限りません。

また、規約で禁止されていなくても管理組合の許可が必要になる場合も。

転用できるかどうか、マンションの場合は確認が必要です。

4)住民同士のトラブルが起きやすい

シェアハウスは住民同士の関係が深まりやすい一面がありますが、距離が近いだけに人間関係のトラブルが起きやすいという側面もあります。

生活時間帯のズレによる騒音問題、共用部の使用ルールの解釈違いなど、些細なきっかけが大きなもめごとになるケースは珍しくありません。

トラブルの仲裁は、管理会社だけでなくオーナー自身も対応する必要があります。

時には解決に長い時間が必要なトラブルに巻き込まれることもありますので、問題が小さなうちに解決できるように早い段階から手を打つように心がけるとよいでしょう。

7.管理会社の協力を得て安定したシェアハウス経営を!

シェアハウスはオーナー1人で経営すると物件管理が大変ですが、管理会社を利用すれば安定した運営を実現できます。

以下では管理会社に頼った方が良いシェアハウス経営に必須な管理項目をご紹介します。

1)家賃設定

シェアハウスの家賃設定は、近隣にあるシェアハウスの家賃相場を参考に決定します。

ただし、シェアハウスは物件によってコンセプトや共有スペースの充実度に差があるため、家賃相場が見えにくいケースもあります。

管理会社はシェアハウスの家賃相場や入居者が決まる妥当な家賃を知っているため、適切な家賃設定をしてくれるでしょう。

 

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2)管理内容の確認

シェアハウスは共同生活の場であるため、一般の賃貸住宅よりも管理に手間がかかります。

快適な居住空間や美観の維持には、小まめなゴミ出しや掃除が必要です。

自主管理ではなく管理委託であれば、オーナーが抱える物件管理の手間は軽くなるでしょう。

まずはシェアハウス経営に必要な管理内容について、詳細を管理会社にヒアリングしてみるのもおすすめです。

3)契約形態

一般的な賃貸住宅は入居者と「普通賃貸借契約」を結びますが、シェアハウスだと「定期借家契約」を結ぶケースが多いです。

定期借家契約は期間が終了すると自動的に契約が終了するため、入居者の入れ替わりが激しいシェアハウスに適した契約形態とされています。

自動更新ではないため、入居者が再契約して住み続ける意思があるのかを契約が終了する前に確認する必要があるでしょう。

また、共同生活に必要な利用規則についても周知する必要があり、規約を契約書に盛り込んでおくことも大切です。

初めてシェアハウス経営に挑戦するオーナーは、管理会社のアドバイスを聞いてみるのも良いかもしれません。

まとめ

シェアハウス経営は高利回りで運用したい不動産オーナーから注目されている投資手法の1種です。

とくに部屋数が多い一軒家は、複数の入居者が同居する環境として優れており、家賃収入アップの可能性があります。

一方で、マンションは管理規約でシェアハウスに転用できないケースも。

まずは転用可能かどうかを確認したうえで、具体的にコンセプトやリフォームの内容を固めていきましょう。

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監修者
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