賃貸管理業者とサブリース業者の監督強化!全国一斉パトロールの詳細と結果を解説

賃貸市況

賃貸住宅における管理業者・オーナー・借主間の相次ぐトラブルが問題になっています。

業界が健全に発展することを目的とし、賃貸住宅管理業者やサブリース業者に対する規制強化を図るべく、令和3年6月に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)」が完全施行されました。

さらに、令和5年1月から2月にかけて、国土交通省は同法律施行後の法令遵守状況を点検するための「全国一斉パトロール」が実施。

本記事では、全国一斉パトロールの内容と結果、賃貸住宅管理業者の規制内容、信頼できる管理会社の見極め方について解説します。

1.賃貸管理会社とサブリース業者が対象!「全国一斉パトロール」とは?

令和5年1月4日~2月28日まで、国土交通省は賃貸住宅管理業者とサブリース業者を対象とした全国一斉パトロールを実施しました。

このパトロールで行われたのは、賃貸住宅の管理業務等に関する適正化を推進するために立入検査です。

1)立入検査の概要

各地方整備局等の職員が賃貸住宅管理業者等の営業所や事務所などの施設に立ち入り、業務状況や設備、帳簿書類など確認することにより賃貸住宅管理業法の規定を遵守しているか点検します。

立入検査の結果、法令違反等が確認された賃貸住宅管理業者等には是正指導をし、状況に応じて監督処分に。

是正指導をした賃貸住宅管理業者等については、再発防止に向けた取り組みや社内教育の実施を促し、その実施状況の確認をするといった流れです。

2)検査の背景

賃貸住宅管理業者等は、賃貸住宅管理業務等の適正化に関する法律に則りサブリース事業を営む必要があります。

賃貸住宅管理業法が遵守されているかを確認し、賃貸住宅管理業法ポータルサイトを基に賃貸住宅管理業法の内容について周知徹底。

国土交通省は、各地方整備局による賃貸住宅管理業者等の事務所等への立入検査や是正指導等を実施し、賃貸住宅の管理業務等に関する適正化を推進するのが目的です。

3)立ち入り検査の結果、59社に是正指導

国交省が全国97社に立ち入り検査を実施した結果、うち59社が是正指導となりました。

指導の対象となった行為は、「管理受託契約締結時の書面交付」「書類の備え置き及び閲覧」「管理受託契約締結前の重要事項説明」といった法の各条項における理解不足です。

国交省は引き続き、立ち入り検査等を通じて賃貸住宅の管理業務等に関する適正化に向けた指導等を行う方針を示しています。

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2.賃貸住宅管理業法とは?

賃貸住宅管理業法とは、賃貸住宅の管理業務の適正化を図るために定められた法律です。

賃貸の代理または媒介行為については宅地建物取引業法によって制度が設けられていますが、賃貸管理やサブリースについて定めた法律はありませんでした。

しかし、賃貸住宅のあり方に関して社会的な重要性が認識されてきたことから、健全な市場の発展を目的とし、令和2年6月に可決成立されました。

1)法律ができた背景

賃貸住宅の管理業務は、オーナーの負担を軽減し、入居者の困りごとや要望に応えるものとして重要な役割を担っています。

ところが管理業務を巡って、原状回復や敷金返還、賃料の取り立てなど様々な局面でトラブルが生じています。

サブリースにおいては、オーナーが契約内容を誤認したまま契約することで、家賃減額や契約解除などを巡るトラブルが頻発し、社会的な問題となっております。  

国土交通省が実施した賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査によると、サブリース契約を解消したことのあるオーナーの理由として「契約後、事前に聞いていた説明と異なっていたことが多かったから」との回答が最多。

このような状況からサブリース業者への行為規制を設けることで、賃貸住宅の管理業務の適正化を図るために制定されました。

2)賃貸住宅管理業法における2つの規制

賃貸住宅管理業法では、賃貸管理業における不透明な商慣行を是正するために、大きく2つの措置を設けました。

1つ目は、賃貸住宅管理業に対する規制です。

一定の業務上のルールを定めることにより、登録業者による業務の適正な運営を確保します。

トラブル防止のために、管理受託契約を締結する前に登録業者より契約条件の説明や、徴収した家賃と自社財産の分別管理などを義務付けました。  

 

2つ目は、サブリース業者に対する規制。

契約条件によるトラブルを未然に防止するため、全てのサブリース業者の勧誘時や契約締結時に規制を導入しました。

「必ず儲かる」「100%家賃を保証する」といった不当な勧誘や誇大広告を禁止。

更にはサブリース業者が契約する際には、家賃の変動リスクなどの重要事項を書面にて説明することを義務付けました。

適正な管理業務のルールを定め、健全な賃貸住宅市場の形成促進を図ります。

3.賃貸住宅管理業者の規制内容

賃貸住宅における良好な居住環境の確保、業界の健全な発展・育成を図るため、賃貸住宅管理業者の登録制度が創設。

管理業者の質を担保し、不要な管理トラブルを防止するために、規制が設けられています。

ポイント

このあとの内容は、法律の詳細部分になります。
ご興味ある見出しの部分だけ読んで頂くことがおすすめです。

1)賃貸住宅管理業の登録

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が施行されることに伴い、賃貸住宅管理業を営む者は国土交通大臣の登録が義務付けられました。

対象となる業者は、賃貸住宅管理戸数(自己所有物件の管理除く)200戸以上の賃貸住宅管理業者について登録が義務化されています。

管理戸数が200戸未満の賃貸住宅管理業者は任意登録になりますが、社会的信用力を確保するために登録を推奨します。

なお、管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者が無登録で営業すると罰則があり、「1年以上の懲役または100万円以下の罰金刑」を科されるおそれがあるので注意しましょう。

2)業務管理者の配置

賃貸住宅管理業者の登録は、営業所または事務所ごとに、知識や経験などを有する業務管理者を1名以上配置しなければなりません。

業務管理者の要件は次のうちいずれかに該当するものです。

  • 移行講習を受講済の賃貸不動産経営管理士
  • 宅地建物取引士+指定講習修了+管理業務に関する2年以上の実務経験
  • 登録試験合格+管理業務に関する2年以上の実務経験

なお、業務管理者が複数の営業所を兼任することはできません。

3)管理受託契約締結前の重要事項説明・書面の交付

賃貸住宅管理業者は管理受託契約を締結する前には、オーナーに対して管理業務の内容や実施方法など重要事項の説明をしなければなりません。

なお、賃貸住宅管理業者や特定転貸事業者(サブリース業者)、宅建業者等の専門知識のある相手方の場合、説明は不要。

重要事項説明をする担当者に有資格者の制約はありませんが、業務管理者や一定の実務経験を有する者による説明が望ましいとされています。

重要事項が記載された書面を交付してオーナーに説明します。

オーナーの承諾がある場合には、PDFなどのデジタル文書や電子署名といった電磁的方法による提供も可能です。

4)財産の分別管理

賃貸住宅管理業者は自社の固有財産と、管理業務で受領する家賃や敷金などの財産を分けて管理しなければなりません。

口座を分けて管理する必要があります。

5)定期報告

賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況について定期的にオーナーへ報告する義務があります。

管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに報告する必要があるので、最低でも1年に1回は報告しなければなりません。

4.サブリース業者に課される規制内容

オーナーとサブリース業者間の契約トラブルを未然に防止するため、勧誘時や契約締結時に一定の規制が設けられました。

違反者に対しては、業務停止命令や罰金等の措置によって実効性を担保しています。

1)不当な勧誘行為の禁止

サブリース契約の締結を勧誘する際の誤った情報や不正確な情報による勧誘、強引な勧誘などの行為は禁止されています。

オーナーは契約について正確な情報が得られないため契約の正しい判断が難しく、契約後に損害を被るおそれがあるからです。

例えば、

「家賃収入は将来にわたって確実に保証される」

「サブリース契約であれば家賃は100%保証で絶対に損しない」

など断定的に伝える行為は禁止です。

オーナーに迷惑を覚えさせるような時間に勧誘することや、執拗に勧誘する行為も当然に禁止されています。

2)誇大広告の禁止

サブリース業者は、特定賃貸借契約の条件について広告を打ち出す際には以下の表示をしてはならないと定められています。

  • 著しく事実に相違する表示をすること
  • 実際の契約条件よりも良い条件だと誤認させるおそれのあること
  • 家賃減額などオーナーに影響を及ぼす事項について、故意に事実を告げないこと

例えば、チラシに記載された利回りが実際の利回りより大きく上回っている広告や、サブリース契約の注意点は告げずにメリットのみを表示している場合などが該当します。

広告媒体は、テレビやラジオ、新聞、インターネットなど種類を問いません。

実際より優良であると誤認させる誇大広告や、虚偽表示によりオーナーを欺く虚偽広告は禁止されています。

3)特定賃貸借契約締結前の重要事項説明

サブリース業者は契約を締結する前に、オーナーに対して重要事項を記載した書面を交付し、記載事項について説明しなければなりません。

ただし、賃貸住宅管理業者や特定転貸事業者、宅建業者等の知識を有する専門家には説明不要です。

契約後のトラブルにならないよう、オーナーにサブリース契約に関する条件やリスクなどを説明し、契約内容を十分に理解してもらった上で契約を締結します。

なお、契約締結に関する書面の交付は、オーナーの承諾ある場合には、電磁的方法による提供も可能です。

4)書類の閲覧

サブリース業者は、業務及び財産の状況を記載した業務状況調書等を営業所または事務所に備え置かなければなりません。

オーナーの求めに応じて書類を閲覧させる義務があります。

5.信頼できる管理会社の見極め方

「アパート経営は管理会社でほぼ決まる」と言っても過言ではありません。

アパート経営を成功させるには、オーナーにとって管理会社選びが非常に重要です。

ここでは信頼できる管理会社を見極めるための指標を3つ解説します。

1)法律に則った営業をしているか

賃貸住宅管理業者として登録している管理会社は、賃貸住宅管理業法に則った営業をしていなければ、罰則・監督処分を受けるおそれがあります。

例えば、管理契約を締結する際に書面を交付しない、もしくは虚偽の記載のある書面を交付した場合には、30万円以下の罰金が科されます。

管理会社は、法律に則った管理業を行わなければなりません。

オーナーからみて登録がある管理業者であれば、ルールに沿った適正な管理業務が実施されることへの期待や信頼に繋がります。

なお、登録している賃貸住宅管理業者は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確認できますので参考にしてください。

2)入居率

入居率の高さは、入居者満足度の現れとも言えます。

入居者に何かしらの不満があれば、アパートの空室が目立ちますが、物件や管理が良ければ高い入居率を確保できます。

入居率は物件の収益に直結しますので、収益を最大化するためには常に意識すべき数字です。

(公財)日本賃貸住宅管理協会の第26回日管協短観によると、2021年度の委託管理物件の入居率は93.6%でした。  

管理会社を選択する際は、築年数や地域、間取りなどの条件が似た物件の入居率を確認し、全国平均値を上回る会社を選ぶと良いでしょう。

3)コンサルティング力

管理会社と言っても様々です。 一般的な管理会社は、家賃・敷金等の受領や入居者募集、入居中のトラブル対応などの業務を実施します。

管理会社に委託するだけでもオーナーの負担は軽減されますが、入居者に選ばれる物件を維持するためには、管理だけでなく修繕やリフォームなどの提案力も大切です。

一般的な管理業務だけでなく、賃貸ニーズにあった修繕やリフォームの提案などができる管理会社であれば、競合物件との差がつき、入居者に選ばれる物件であり続けます。  

ランドネットでは、最新の賃貸マーケット情報を反映した修繕やリフォームを実施し、入居者に選ばれやすい部屋づくりを行います。

そのため、成約するまでの期間を短縮し、収益性をアップさせることが可能です。

他にも、オーナー様が安心して賃貸経営ができるよう設備保証のサービスや原状回復工事費用の保証サービスなどもご準備しております。

もしよろしければ、今の賃貸管理会社と当社の賃貸管理を比較検討してみてください

まとめ

これまで整備されていなかった賃貸管理に関する法律が、令和3年6月に完全施行されました。

法律が整ったことから悪質な不良業者は排除され、良質な管理会社だけが生き残っていくことが予想されます。

これから管理委託を検討しているオーナーは、賃貸住宅管理業者として登録してある管理業者を選択するのをおすすめします。

登録業者であれば、法律に則って営業していますので、管理業者としての質が担保されやすいと言えるでしょう。

管理会社の良し悪しが、賃貸経営に大きく影響します。 信頼できる管理会社を見極め、安定した賃貸経営をしていきましょう。

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監修者
RENT編集部
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