書式例付き|賃貸借契約解除通知書とは?要件・書き方・注意点を解説

近隣トラブル

賃貸借契約を解除する場合、通知書の作成と送付はどのようにすれば良いのでしょうか。

通知書の作成を誤ると、その後の法的手続きに支障をきたす可能性があります。

本記事では、賃貸借契約解除通知書の作成方法や記載例、送付手順について詳しく解説します。

1.賃貸借契約解除通知書とは

貸主側の意思で賃貸借契約を解除する際、特定の条件下において賃貸借契約解除通知書による通知が必要となります。

どのような場面で必要になる書類なのか、役割と条件から見てみましょう。

1)賃貸借契約解除通知書の役割

賃貸借契約解除通知書は、オーナーが借主との賃貸借契約を解除する意思を明確に伝えるための重要な法的文書です。

単なる退去要請や警告とは異なり、この通知書の送付は法的手続きの第一歩となります。

借地借家法では借主の権利が手厚く保護されているため、契約解除を行う際には正当な事由と適切な手続きが必要です。

この通知書には、契約解除の意思表示を明確に示すとともに、解除に至った具体的な理由や経緯を記載します。

解除理由については、客観的な事実に基づいて記載することが重要です。

後の法的手続きにおいて重要な証拠となるため、日付や金額などの情報は正確に記録する必要があります。

2)契約解除の正当事由

オーナーからの契約解除が認められる条件は、主に「正当事由による解除」「信頼関係の破壊による解除」の2つに分類されます。

正当事由による解除は、オーナー側の事情により契約を解除せざるを得ない理由を指します。

代表例は建物の老朽化による建て替えです。

この場合、建物の安全性や耐震性の問題が認められれば、オーナー側の主張が認められやすくなります。

ただし、借主への十分な補償が必要となり、一般的に立退料が必要とされます。

 

信頼関係の破壊による解除は、借主による重大な契約違反に該当します。

例として、3ヶ月以上の家賃滞納や無断転貸、用途違反、深夜の騒音等の迷惑行為などが挙げられます。

一般的には立退料は不要ですが、契約違反の事実を客観的な証拠を残しておくようにしましょう。

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2.賃貸借契約解除通知書のフォーマット

賃貸借契約解除通知書には法定の様式はありませんが、記載すべき重要な情報と推奨される書式があります。

ここでは、実務で広く使用されている標準的なフォーマットと、各項目の記載方法について説明します。

1)賃貸借契約解除通知書の記入項目

賃貸借契約解除通知書には、一般的に以下の項目を記入する必要があります。

記入項目
  • 通知書を作成した日時
  • 借主の住所・氏名 ※契約書に記載されている内容
  • 貸主の住所・氏名・連絡先 ※管理会社が送付を代行する場合はその旨を明記
  • 対象物件の所在地・部屋番号
  • 契約解除事由 ※督促の経緯や契約書の該当条項の記載が望ましい

2)賃貸借契約解除通知書の作成例

上記を元に作成した通知書の記載例をご紹介します。

これは一般的な形式であり、個々の状況に応じて適切に修正して作成してください。

賃貸借契約解除通知書

令和○年○月○日

○○県○○市○○町1-1-1
○○アパート101号室
借主 ○○ ○○ 様

○○県○○市○○町2-2-2
貸主 ○○ ○○ 印
電話:000-0000-0000

当社は貴殿に対し、以下記載条件において下記建物の101号室を賃貸しておりますが、貴殿は令和○○年○月分から○月分までの家賃支払いを滞納しています。

令和○年○月○日付内容証明郵便により滞納家賃全額を令和○年○月○日までにお支払いいただくように請求いたしましたが、令和○年○月○日に至るまでお支払いいただけておりません。

そのため、貴殿との賃貸借契約を解除する旨を通知いたします。

つきましては、直ちに下記建物の101号室を明け渡すと共に、支払期日に滞納家賃全額をお支払いいただくようご請求申し上げます。


 1.賃貸物件 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
       ○○アパート 101号室
 2.賃借人   ○○ ○○ 様
 3.滞納金  ○万○千円
 4.滞納家賃支払期日 令和○年○月○日

 

3.賃貸借契約解除までの流れ

賃貸借契約の解除は、段階的なプロセスを経て進められます。

各段階での適切な対応が、円滑な契約解除と建物の明け渡しにつながります。

ここでは、契約解除の具体的な手順について説明します。

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1)借主への是正要求

契約解除の通知を送付する前に、まずは借主に対して問題行為の是正を求めることが必要です。

家賃滞納の場合は支払いの督促、騒音等の迷惑行為の場合は行為の中止を要請します。

この段階では、電話や口頭での伝達でも構いませんが、記録として残すために書面での通知も並行して行いましょう。

なお、是正要求の際は問題となっている事実を具体的に指摘し、改善に向けた猶予期間を設定します。

改善がない場合は、契約解除を行う可能性があることも明確に伝えましょう。

もし連帯保証人を設定しているようなら、是正要求と同時に保証人へ通知しておくことが望ましいでしょう。

2)賃貸借契約解除通知書の発送

是正要求にもかかわらず改善が見られない場合、賃貸借契約解除通知書を送付しましょう。

送付の際は必ず内容証明郵便を使用し、配達証明サービスも併用することが推奨されます。

内容証明郵便は、後の法的手続きにおいて重要な証拠になり、2024年12月現在で基本料金と配達証明量を含め1,420円の費用が必要です。

なお、通知書は3通作成し、1通を郵便局提出用、1通を借主送付用、1通を控えとして保管します。

3)強制執行

契約解除通知後も借主が退去に応じない場合、裁判所に強制執行を申し立てることができます。

強制執行は裁判所職員である執行官にのみ認められている行為で、オーナーが独自に実力行使することは違法です。

例えば、オーナーが勝手に鍵を交換したり、借主の家財道具を搬出したりすることは、不法行為として損害賠償請求の対象となる可能性があります。

どれだけ借主側が不法行為を繰り返していたとしても、オーナーが実力行使するのは避けたほうが良いでしょう。

4)建物の明渡請求訴訟

借主が任意の退去に応じない場合、最終的には建物明渡請求訴訟を提起することになります。

訴訟には弁護士への依頼が推奨され、着手金や報酬金、印紙代などを含めて30万円以上の費用が必要です。

なお、訴訟の過程で借主と和解が成立することも。

その場合は立退料の支払いや退去期限の延長といった条件を設定し、オーナーと借主による協議の中で退去が行われます。

訴訟による解決は時間とコストがかかるため、できるだけ話し合いでの解決を目指すことが望ましいでしょう。

まとめ

賃貸借契約解除通知書は、契約解除の意思を明確に示し、法的手続きの基礎となる重要な文書です。

作成から契約解除の完了まで、正当な事由の確認や借主への段階的なアプローチ、適切な書面作成といったステップを踏むことが重要となります。

なお、強制退去手続きは貸主に認められた権利ではありますが、実際に借主を退去させるまでには多大な時間とコストが必要です。

借主と貸主双方の負担を軽減するためにも、契約解除の手続きは、できるだけ話し合いでの解決を目指すことが望ましいでしょう。

当社ランドネットでは、豊富な経験と専門知識を活かし、オーナー様の賃貸経営をサポートしております。

賃貸借契約解除通知書の作成に関するご相談も承っておりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください。

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監修者
西原 勇太【株式会社ランドネット】
西原 勇太【株式会社ランドネット】
賃貸仲介・管理をはじめ売買や開発に携わり、不動産の総合キャリアを構築。多角的な視点と提案でオーナーの賃貸経営をサポート!【資格】宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター【不動産業界歴】17年

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