入居者にオーナーチェンジを通知!挨拶文、賃貸人や振込先の変更方法を解説

相続

オーナーチェンジで物件を購入した場合、オーナーは入居者に挨拶したり、家賃振込先の変更をお知らせする必要があります。

では、どのようにして通知すれば良いのでしょうか。

本記事では、オーナーチェンジを入居者に通知する方法を解説します。

1.オーナーチェンジ・管理替えは入居者への通知が必須

オーナーチェンジが行われた場合、新しいオーナーは入居者に所有者変更の通知をするのが望ましいでしょう。

とくに家賃の振込先が変更になったなら、旧オーナーに家賃が振り込まれないよう、新しい振込先を告知しなければなりません。

また、オーナーチェンジと同時に管理会社も変わる場合、入居者からの連絡を受け付ける窓口も通知しておきましょう。

更新や退去の手続き、備品の故障や住民トラブル相談に不安を抱かせないことが、新オーナーと入居者間の信頼関係構築に繋がります。

2.入居者への通知と添付書類

入居者への通知は、一般的に書面で行うのが望ましいです。

その際、オーナーチェンジに関する手続きの適法性や、変更にともない入居者へ与える影響を伝えられるよう、いくつかの書類を添付しておきましょう。

入居者に提示しておきたい書類の例は以下の通りです。

通知内容
  • オーナーまたは管理会社からの挨拶文
  • 不動産登記簿謄本
  • 変更合意書
  • 売買契約書の写し
  • 賃貸契約書の写し
  • 新オーナー・新管理会社の連絡先

1)オーナーからの挨拶文

オーナーまたは管理会社からの挨拶という形で、変更点を知らせます。

入居者が知りたいのは、家賃の振込先や管理会社の連絡先などです。

いつからどのように変更になるのか、具体的な変更点をわかりやすく伝えるように、タイトルや文面を工夫しましょう。

ケース別の文例は後ほどご紹介します。

2)登記事項証明書(不動産登記簿謄本)

旧オーナーから新オーナーへ所有権が移転したことを示す登記事項証明書を用意しましょう。

変更の履歴が分かるよう、履歴事項全部証明書を用意するのが望ましいです。

登記事項証明書は登記所で発行できますが、費用がかかりますので各入居者にはコピーを配布しても問題ありません。

3)売買契約書の写し

旧オーナーと新オーナーの間で取り交わされた売買契約書のコピーは、実際に売買が行われたことを証明する書類です。

契約年月日、売主・買主の氏名、仲介人の氏名といった情報を確認できる書類を添付しましょう。

なお、売買金額を入居者に知らせる必要はありません。

隠した状態でコピーを取りましょう。

4)賃貸契約書の写し

入居者が旧オーナーと結んだ賃貸契約書の写しも、通知とともに提示しておきたい書類です。

入居者の手元にある契約書と同じ内容の書類を送ることで、売買成立後も賃貸契約の内容が有効であることの証明になります。

5)新オーナー・新管理会社の連絡先

入居者が物件に関する相談をできるよう、新オーナーの連絡先を伝えておきましょう。

オーナーチェンジとともに管理会社も交代しているようなら、新管理会社の担当者の名刺や会社案内を同封するのがベターです。

新しい連絡先を伝え損ねると、旧オーナーや旧管理会社に連絡が行ってしまいますので、くれぐれも伝え忘れないように注意しましょう。   

3.挨拶文の文面

オーナーや管理会社から入居者に送る挨拶文では、基本的に以下の情報を盛り込む必要があります。

挨拶の文面
  • 所有者変更の挨拶
  • 新オーナーおよび新管理会社の名前と連絡先
  • 物件の所有権が移転する予定日等
  • 旧オーナーと結んだ賃貸契約の扱い
  • 賃料の新しい振込先
  • 振込先の切り替え月

 

上記を踏まえた入居者への挨拶文の文面例は以下の通りです。

コピーしてお使いください。

コピー可

賃貸人変更および家賃振込口座変更のお知らせ

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。  

さて、○○県○○市○○町○丁目○番地に所在する○○○マンションは、x年x月x日付けをもちまして、×××から新貸主である△△△へと譲渡されましたことをご通知いたします。

貴殿が×××と締結された賃貸借契約は、引き続き新貸主の△△△へと継承されます。

なお、本譲渡にともない賃貸管理会社が変更となりました。

つきましては、大変お手数ではございますが、20xx年x月末ご入金分の賃料より、以下の振込口座へとお振り込みください。

本通知につきましてご不明点がございましたら、□□□までご連絡下さい。

今後ともより一層のご愛顧、お引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

敬具

≪新賃料振込先口座≫ xxx銀行 ○○○支店 普通口座xxxxxxx 口座名義人△△△

≪新管理会社連絡先≫ 株式会社□□□ ○○県○○市○○町○丁目○番地 xxxx-xx-xxxx 担当:○○○

 

なお、オーナーチェンジ後も管理会社が変更にならず、家賃の振込先がそのままの場合、管理会社変更と振込先口座変更を通知する必要はありません。

その他、契約内容によって必要な記載事項は変わりますので、契約に合わせて適宜内容を修正してください。

4.オーナーチェンジの通知で注意するポイント

入居者の中には、オーナーの変更に不安を感じる方もいるでしょう。

オーナーチェンジの通知は、普段入居者と接点のないオーナーにとって貴重なコミュニケーションの機会です。

安心して賃貸物件に住み続けてもらうためにも、入居者が安心できる通知を行うように努めましょう。

1)振込口座の切り替えタイミングには余裕を持つ

オーナーチェンジにともなう入居者の対応が振込先口座の切り替えです。

スムーズな切り替えができれば問題ありませんが、入居者との連絡がうまくつかず、振込先変更に思わぬ時間がかかるケースも。

不備なく手続きを済ませるために、振込先変更の通知から切り替え日までは、少なくとも2ヶ月程度の時間を確保できるのが理想的です。

余裕を持ったスケジュールを組み、変更手続きが無事に行われたのか確認まで行いましょう。

2)丁寧な説明と手厚い対応を心がける

オーナーが変わる経験は、入居者にとって珍しいものです。

「気に入ってたけど、住みにくくなったらどうしよう・・」と不安を抱える入居者も。

そのため、丁寧な説明と手厚い対応で入居者に寄り添うよう心がけましょう。

3)旧オーナー・旧管理会社に協力を仰ぐ

入居者への通知をスムーズに行えるよう、必要に応じて旧オーナーや旧管理会社に協力を仰ぎましょう。

新オーナーからの挨拶の前に、旧オーナーからお知らせをしてもらうだけでも、入居者が心構えをするだけの余裕を持てるかもしれません。

旧オーナーとは、入居者の家賃振込先間違えの対応などで引渡し後も関係が続く場合があります。

今後発生するやりとりをスムーズにするためにも、協力しあえる良好な関係を築いておきましょう。

まとめ

物件のオーナーや管理会社が変わった場合、その旨を入居者に対して通知する必要があります。

丁寧で慎重な対応を心がけながら、家賃の振込先が変更になった旨を伝えましょう。

 

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監修者
吉田 佳祐【株式会社ランドネット】
吉田 佳祐【株式会社ランドネット】
賃貸仲介と管理の両方を知る在籍10年超のベテラン!入居中のトラブルや滞納のお悩みなどあらゆる難題に手腕を発揮。【資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・損害保険募集人一般【不動産業界歴】15年

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