【3点ユニット】バス・トイレに仕切りを入れる方法と費用を解説

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バス・トイレ・洗面台がひとつの空間に収まる3点ユニットバスは、かつて賃貸物件の設備として高い人気を誇っていました。

しかし、近年では家賃帯を問わずバス・トイレ別物件の人気が高く、3点ユニットバスの物件は入居者集めに苦戦する傾向が続いています。

3点ユニットバスの物件を保有しているオーナーは、集客率向上のために何らかの対策を行う必要があるでしょう。

具体的にはバスとトイレを分離する仕切りを入れ、バス・トイレ別物件へと改修するといった方法です。

今回は、3点ユニットバスのバス・トイレを分離する仕切り工事の種類や費用、また仕切り工事を行う前に考えておきたいポイントについてご紹介します。

1.バス・トイレを分ける仕切り工事は必要?

1964年の東京オリンピックの時代に誕生したユニットバスは、1980年代から2000年代にかけて3点ユニットバスとして広く一般住宅に普及しました。

特に狭い敷地に多くの部屋を設置したい集合住宅における需要が高く、この時期に建設された賃貸アパート・マンションの多くに3点ユニットバスが設置されています。

しかし、2010年代に入ると、利用者側から「バスとトイレを同時に使用できない」「狭いバスルームは落ち着かない」といった声が相次ぎ、バス・トイレ別物件の需要が急速に高まるようになりました。

 今では、3点ユニットバスは入居者にとって家賃を抑えるために仕方なく許容する設備として扱われはじめています。

賃貸ポータルサイトの検索項目に「バス・トイレ別」のチェックメニューが存在するほど。

それほど、バス・トイレ別は物件選びの重要な基準となっています。

オーナーは、物件の空室率を下げるためにも、3点ユニットバスの改修を積極的に検討する必要があるといえるでしょう。

2.バス・トイレを分離する工事の種類・費用

3点ユニットバスが設置された物件の入居率を上げる方法のひとつは、バス・トイレの分離です。

分離させる方法は大きく4つに分けられ、それぞれ工事費用がかかります。

1)仕切りによるバス・トイレの分離:20万円~40万円

1つ目は、バスとトイレの間に仕切りを設ける方法です。

バスタブの仕切りとなるサッシを設置し、トイレ部分とバス部分の空間を分離します。

バスタブやトイレを撤去する必要がないため、比較的安い工事費で行えます。 洗面台の位置によっては、仕切りが設置できないため洗面台の撤去が必要です。

  レイアウト変更のために、浴槽・便器の交換をしなければならない場合もあります。

その際には配管工事なども必要になるため、ある程度費用がかさむことも認識しておきましょう。

なお、現在バス・トイレに使用している空間をそのまま流用するため、バスタブに行くにはトイレを通らなければなりません。

物件広告にはバス・トイレ別と記載できるようにはなりますが、入居者が求めるバスとトイレの完全分離を果たせていないともいえるため、内見は増えても契約に繋がらないケースの増加が考えられるでしょう。

ターゲット次第

ターゲットが独身男性であれば、お値段的にもコストパフォーマンスが高い施策と言えます。

10年で回収すると考えても、家賃2,000円程度を上げるだけでリフォーム代が回収できます。

2)バス・トイレ別ユニットの設置:60万円~90万円

3点ユニットバスの規格に合うバス・トイレ別のユニットへ入れ替えれば、同じ空間の広さでありながら完全にバス・トイレを分離させることができます。

部屋全体のレイアウトを変えずにバス・トイレそれぞれに繋がる別々の入口を設置できるため、低価格で入居者が求める要件を満たせます。

  ただし、3点ユニットバスに使っていた空間の中にバス・トイレを併設するため、それぞれの空間は非常に狭くなります。

特にバスタブはユニットバスのサイズよりもさらに小さくなりますので、湯船に浸かることはできても窮屈に感じてしまうかもしれません。

ポイント

都心2DK以上の同棲(ディンクス)をターゲットにしたリフォームになります。

家賃がある程度取れるエリアであれば、1番の仕切りにするのではなく、あえて完全別にするもの1つかもしれません。

3)浴槽を撤去しシャワールームを設置:50万円~120万円

3点ユニットバスには、一般的なバスルームにおける洗い場がありません。

そのためバスタブで頭や体を洗う必要があり、湯船にお湯を張る機会がほとんど無いという人も珍しくありません。

シャワーしか使わないという方にとっては、バスタブよりもシャワールームのほうが使い勝手がいいため、バスタブであるメリットを感じないという方も多いでしょう。

こうした需要に応えるためにバスタブを撤去し、ボックス型のシャワールームを設置するという方法もあります。

ボックス型のシャワールームは、バスタブよりも省スペース。 バス&トイレルームを広く使えるようになるメリットがあります。

しかし、バスタブの撤去から床の張り替え、洗面台の移設など工事範囲が広く、費用が高額になりやすい点には注意が必要です。

4)トイレを新規に設置する:100万円~200万円

3点ユニットバスの空間をバスルームのみに改装し、トイレを別途新設します。

バス・トイレ別のイメージに最も近い状態になるため、物件の価値が上がり入居率へ大きな好影響を与えるでしょう。

トイレに使われていたスペースを洗い場にできるため、バスルームを広々と使えるようになります。

  一方でトイレを新設するために他のスペースをつぶす必要がありますので、居住エリアが狭くなるといったデメリットも生じます。

配管や排水、壁の撤去や新設といった大がかりな工事が必要になりますので、工事期間が長期化しやすく費用も大きくなるでしょう。

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3.分離工事以外の対策

上記の通り、バスとトイレの分離工事には多額の工事費用がかかります。

設備投資として分離工事をしても費用を回収できる見込みがないようなら、費用がかからない分離工事以外の対策を考えるとよいでしょう。

1)デザイン性を高めたオシャレ空間に

バス&トイレルームのデザイン性を高め、きれいでオシャレな空間に変えるのもひとつの対策です。

3点ユニットバスは高級ホテルにも採用されている設備です。

多くの利用客に受け入れられている理由のひとつに、統一感のあるデザインにより非日常的な空間として演出されている点が挙げられます。

便座や壁面を木目調へ変更、壁一面を鏡にするなど、一般的なマンション・アパートにはないデザインの空間にすることで、3点ユニットバスのままでも受け入れられやすくなるでしょう。

デザイン変更は配管などの大がかりな工事は必要ありませんので、分離工事に比べ低コストで済むのも魅力です。

2)工事を行わずに家賃を下げる

3点ユニットバス物件の人気は高くありませんが、一方で「バス・トイレが一緒でも家賃が安ければ気にしない」という層も確実に存在します。

もしバス・トイレ別の物件と同程度の家賃設定で入居希望者が増えないようなら、家賃の見直しが集客率アップに繋がるかもしれません。

  現代の20~30代は毎日忙しい日々を送っており、ゆっくり湯船に浸かる時間も取れないという方も少なくありません。

どうせゆっくりと風呂に入る時間も取れないなら、その分家賃を下げてほしいと考える人も多く、居室がきれいで家賃が安い物件のニーズは決して低くありません。

満室時の収益は下がるかもしれませんが、家賃の値下げにより需要と供給を合致させる施策は、空室を避けるためには有効であるといえます。

賃貸オーナー必見:「やってはいけない」実はNGな空室対策⑤選

4.バス・トイレの仕切り工事を行う判断基準は?

ここまでの通り、バス・トイレ別の物件は高い人気があり、空室が埋まりやすい傾向があります。

しかし、安易に3点ユニットバスをバス・トイレ別に分離したとしても、工事費用を回収できずに損をしてしまう可能性も否定できません。

分離工事の実施を損失に繋げないためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

1)今後マンション経営を続ける期間

前述の通り、バス・トイレの分離工事にはある程度の費用が必要です。

そのため家賃の額によっては短期間での回収ができず、仮に入居率が上がっても最終的な利益が減ってしまうおそれがあります。  

仮に、賃料8万円のマンションの3点ユニットバスを100万円かけて分離工事したとしましょう。

100万円を回収するには12.5カ月分の家賃が必要であり、さらに工事期間である1カ月は入居者を入れられないため、13.5カ月は収益がない状態となります。

この工事費用を加味した10年間の家賃収入は、常に入居者がいる場合で次のようになります。

(12カ月×10年-13.5カ月)×8万円=852万円 

一方、工事をせずに家賃を7万円に下げた場合、10年間の家賃収入は次の通り。

12カ月×10年×7万円=840万円  

 

上記の例では、およそ10年を境に、分離工事を行った方が収益は大きくなる計算となりました。

しかし3点ユニットバスが設置された物件の多くは既に築30年以上。

物件全体の傷みが表面化する年代であり、大規模なリフォームや建て替えといった選択肢も考えられるため、現状のまま10年以上賃貸経営をしない場合には分離工事を見送ったほうがよいかもしれません。

今後の賃貸経営計画によって分離工事から得られる利益が変わりますので、十分な計画を踏まえた工事内容を検討しましょう。

2)近隣の賃貸物件の状況と入居者のターゲット

3点ユニットバスの分離は賃貸物件の価値を大きく高める可能性がありますが、分離すれば必ず入居者が集まるとは言い切れません。

入居者の集まり具合には需要と供給が大きく関係しているため、分離工事の結果が地域のニーズに合致しなければ、期待通りの集客効果が得られない可能性があります。

近隣地域に築浅で同じ家賃帯の物件が多く存在している場合、それらの物件はバス・トイレ別で建てられている可能性が高めです。

そのため3点ユニットバスを分離したとしても、入居希望者はきれいで使いやすい築浅の物件へ流れやすいため、期待通りの入居者募集ができないおそれがあります。  

学生が多い街のように、物件の利便性よりも学校との距離などが重視される地域では、バス・トイレ別の高家賃物件よりも低家賃の物件を歓迎する層が多くなる傾向があります。

地域の特性や入居者、ターゲットによって分離工事の効果が大きく変わりますので、家賃の値下げ対応なども含めた柔軟な検討が求められます。

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まとめ

かつて人気を集めていた3点ユニットバスは、時代の変化と共にニーズが下がっていきました。

築20~30年を迎える3点ユニットバスを備えた物件は、仕切りやトイレの新設といった分離工事を行い、物件の価値を高める必要性に迫られています。

一方で、バス・トイレが分かれていない物件を求める地域やターゲットも確実に存在しています。

場合によっては分離工事費用を回収できないケースもありますので、簡易的なリフォームや家賃の値下げを含めた対応を慎重に検討しましょう。

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監修者
西原 勇太【株式会社ランドネット】
西原 勇太【株式会社ランドネット】
賃貸仲介・管理をはじめ売買や開発に携わり、不動産の総合キャリアを構築。多角的な視点と提案でオーナーの賃貸経営をサポート!【資格】宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター【不動産業界歴】17年

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