結露でカビだらけになった賃貸の退去費用は誰の責任負担になる?
漏水・雨漏り

賃貸マンションや賃貸アパートでは、結露などが原因で、室内にカビが発生してしまうことがあります。
退去時に賃貸物件の確認をしたら、部屋がカビだらけになっていた場合、カビの除去にかかる退去費用は誰が負担するのでしょうか。
今回は、賃貸経営中に室内がカビだらけになってしまった場合の責任の所在と退去費用の負担についてご説明します。
目次
1.賃貸物件がカビだらけになった場合、退去費用は誰が負担する?
賃貸物件がカビだらけになった場合、その責任が入居者にあると考えられるケースとオーナーに責任があると考えられるケースに分けられます。
入居者に責任がある場合は入居者が退去費用を、オーナーに責任がある場合はオーナーが退去費用を負担することとなります。
カビだらけの部屋の退去費用の負担についてご説明します。
1)入居者が退去費用を負担するケース
賃貸物件の入居者には、善管注意義務が課せられます。
善管注意義務とは一般的に要求される程度の注意を行うことであり、日常的な清掃や退去時の清掃に気を付ける必要があるとされています。
善管注意義務に違反して通常より大きな損耗や損傷を生じさせた場合には、入居者に復旧する責任があります。
入居者がカビの除去に伴う退去費用を負担する具体的なケースは、次のような場合です。
- 窓の結露を放置によるカビ
- 浴室のカビ
- 壁紙をカビだらけにしてしまった
- 脱衣場を濡れたままにした床のカビ
2)オーナーが退去費用を負担するケース
カビは入居者が日常的な清掃を怠っていたために発生するケースがほとんどです。
しかし、構造上の問題によってカビが発生した場合はオーナーに責任が生じます。
賃貸物件の部屋がカビだらけになった場合、オーナーが退去費用を負担するケースは次のような場合です。
- 雨漏りによって天井にカビが発生した場合
- 配管の経年劣化による水漏れ
- 窓が開けられないから発生したカビ
- 換気扇故障によるか浴室のカビ
構造上の問題や経年劣化が原因でカビが発生した場合は、入居者がいくら掃除をしてもカビの発生を抑制できないと考えられます。
このような場合では、オーナーが退去費用を負担することになります。
しかしながら、入居者が雨漏りや水漏れなどを報告せず、放置したことによってカビの被害が拡大したと判断される場合は入居者にも責任があると判断されるケースもあります。
同じ問題では、【賃貸物件】雪かきは誰がやる?除雪作業でトラブルを回避する方法もありますので、併せてご確認下さい。
2.カビだらけの部屋の退去費用はどのくらい?
カビだらけの部屋をそのままにしていても、次の入居者は見つけられません。
したがって、退去時に部屋がカビだらけになっていた場合は、カビの除去をする必要があります。
壁紙にカビが発生した場合、それほど被害が発生していなければクリーニングで落とすことができますが、全面にカビが広がってしまった場合は壁紙の張り替えが必要になります。
壁紙の張り替え費用の目安は、6畳の部屋で4~5万円程度です。
床にカビが発生した場合は、フローリングの張り替えが必要になります。
張り替えるフローリング材によって費用は変わりますが、6畳の場合の張り替え費用は4万~7万円程度です。
浴室に生えたカビについては、専用の洗剤を使用した除去が必要になります。 この場合の費用は1万円程度になるでしょう。
合わせてこちらも読んでおくと原状回復のトラブル対応に慌てずに済むでしょう。
【原状回復ガイドラン】オーナーと入居者の負担割合は?クロスなど部位ごとに解説
3.賃貸物件がカビだらけになるケースとは
賃貸アパートや賃貸マンションは、戸建て住宅と違って窓が少ないために空気の流れが悪く、カビが生えやすくなります。
賃貸物件でカビが発生しやすいケースをご紹介します。
1)風呂場がカビだらけになる
浴室はお湯を使う場所であり、扉で密閉されることから湿気が溜まりやすくなります。
賃貸物件の場合、防犯上の問題もあることから浴室に窓が設置されていないことがほとんどです。
そのため、浴室のタイルやパッキン部分がカビだらけになってしまうケースは少なくありません。
2)窓の周りが結露によってカビだらけになる
窓は外との気温差で結露が起こりやすくなります。
窓にはカーテンを設置することが多いため、窓がカーテンの後ろに隠れてしまい、結露に気が付かないケースもあるでしょう。
結露が起こると、窓の周辺の湿度が高まり、窓枠や周辺の壁紙などにカビが生えやすくなります。
3)クローゼットや押入れの中がカビだらけになる
クローゼットや押入れは、閉め切っていることが多いため、通気性が悪く、カビが生えやすい場所です。
特に、中に布団や洋服などがぎっしりと詰まっていると、空気が動きにくいため湿気がこもりやすくなります。
4)部屋干しをしていたことで壁紙にカビが大量発生する
天気の悪い日など、一時的に洗濯物を部屋干しする場合は問題ありません。
常に室内に洗濯物を干していると、室内の湿気が溜まり、壁紙にカビが発生してしまう場合があります。
4.賃貸物件でカビの発生を抑えるためには
カビにとって湿度と温度は栄養源です。
鉄筋コンクリート造りのマンションなどは、木造住宅に比べて気密性が高いために、結露が発生しやすくなります。
立地上、湿気が溜まりやすく、カビが生えやすい物件の場合は、リフォーム時にカビが発生しにくい防カビ用の壁紙を使用すると、カビの発生を抑えられます。
窓は二重窓に変更すると、結露の発生を抑えられます。
全ての部屋を対策するのではなく、湿気が溜まりやすい1階や陽ざしが入りにくい北側の部屋だけに対策を行ってもよいでしょう。
カビが広がると、壁紙だけでなく、その下にある石膏ボードにまでカビが広がってしまう場合もあります。
その場合は壁紙を張り替えても、壁紙のノリを栄養にして再びカビが広がってしまいます。
入居者側の管理の問題でカビが広がる可能性もありますが、建物の構造の問題からカビが発生する場合は、入居後すぐにカビが生じてクレームに発展する可能性もあります。
カビが原因で呼吸器系の病気を招いてしまうケースも考えられます。
カビが発生しやすい状況が分かっている場合は、リフォーム等でカビが発生しにくい状態に整えるようにしましょう。
まとめ
賃貸物件で室内がカビだらけになった場合、カビが発生した理由によって退去費用の責任負担は変わります。
入居者側が建物の構造上、結露が発生しやすいためにカビが生えたと主張し、トラブルになるケースもあります。
家賃が減額されないように合わせて対応してもらうようにしましょう。
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