【賃貸の更新料】相場やオーナーの取り分を解説

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賃貸契約を更新した場合、入居者が支払う費用の一つに更新料があります。

更新料はオーナーの収入になるものですが、地域によって更新料の考え方は変わり、更新料の相場も異なります。

また、賃貸契約の更新時には更新手続きが必要になるため、管理会社に業務を委託している場合は、更新事務手数料を支払わなければなりません。

更新事務手数料を支払うとなると、オーナーの更新料の取り分はどのくらいになるのでしょうか。

今回は、賃貸の更新料の相場やオーナーの取り分についてご説明します。

1.賃貸更新料の相場

実は、地域によっては、賃貸時に更新料を支払う慣習のない地域があります。

そのため、賃貸物件を所有しているオーナーでも賃貸更新料についてご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まずは、賃貸更新料の概要と地域ごとの更新料の相場についてご説明します。

1)賃貸更新料とは

賃貸借契約を結ぶ際には、契約期間を設定します。 一般的には、契約期間を2年間として契約を結ぶことが多いでしょう。

賃貸更新料とは、賃貸契約期間が満了した後も同じ物件に住み続ける場合に、月々の家賃とは別に入居者がオーナーに支払う料金のことです。

2)更新料の金額は誰が決める?

更新料には、法律で定められているルールはありません。

そのため、更新料の金額はオーナーが自由に設定して問題ありません。 

しかし、地域によって更新料についての慣例が残っているため、多くの場合、地域の相場に合わせた更新料の額を設定しています。

3)地域ごとの賃貸更新料の相場

2007年に国土交通省が発表した「民間賃貸住宅に係る実態調査」では、地域ごとの一時金や連帯保証人等の市場慣行が示されています。

この調査は、全国の賃貸住宅管理会社を対象に行われたものであり、それによると各地域の更新料の相場は次のようになっています。

<<地域別の賃貸更新料の相場>

※横スクロールできます。
自治体名 更新料の割合(%) 更新料の平均額(月)
北海道 28.5 0.1
宮城県 0.2 0.5
東京都 65.0 1.0
神奈川県 90.1 0.8
埼玉県 61.6 0.5
千葉県 82.9 1.0
長野県 34.3 0.5
富山県 17.8 0.5
愛知県 40.6 0.5
京都府 55.1 1.4
大阪府 0 0
兵庫県 0 0
広島県 19.1 0.2
愛媛県 13.2 0.5
福岡県 23.3 0.5
沖縄県 40.4 0.5

出典:国土交通省「民間賃貸住宅に係る実態調査」

このデータを見ると、東京、神奈川、埼玉、千葉といった関東地方では更新料を徴収している傾向が強く、更新料の相場は0.5ヶ月分~1ヶ月分程度となっています。

 一方、大阪と兵庫については、更新料の徴収割合が0%となっており、更新料を徴収するという慣習がないようです。

しかしながら、京都では更新料の徴収割合が5割を超えており、その平均額は1.4ヶ月分と最も高い額となっています。

そのため、関西地方であってもエリアによって更新料の相場は異なることが分かります。

4)更新料を徴収する主な理由

同じ調査では、更新料を徴収する理由についてもアンケートを行っています。

その結果は、次のようになっています。

<更新料を徴収する主な理由(複数回答あり)>

※横スクロールできます。
一時金収入として見込んでいる 53.0%
長年の慣習 50.4%
家賃が低い分の収入を確保 21.4%
その他 21.4%
損耗を補修するための財源 20.5%
一時金を払えない人は不安 14.5%
大規模修繕を行うための財源 6.0%
立退料の支払い等の備え 4.3%

更新料を聴取している理由としては、一時金収入として見込んでいるという理由と長年の慣習という回答が半数以上に上りました。

更新料以外にPM管理という客付け費用も併せてご覧ください。

【プロパティマネジメント】PMフィーの相場、一般的な賃貸管理との違いとは?

2.賃貸契約更新時に必要な手続きと業務の委託

賃貸契約を更新する際には、次のような手続きが必要になりますが、契約更新の業務は管理会社に委託されるケースが多くなっています。

1)契約更新時の手続きの流れ

1.契約更新の確認

契約期間が満了する1~3ヶ月前に、入居者に対して契約期間が迫っていること、契約期間満了後も契約更新をする意思があるかどうかを確認します。

多くの場合は、郵送で更新のお知らせを行います。

この際、更新契約書や火災保険の申込書、家賃保証会社との更新書類も同封します。

2.必要書類の確認

提出期日までに更新契約書等の返信があるか、記載事項等に漏れがないかを確認します。

更新契約書も解約通知も届かない場合には、入居者に再度連絡をし、更新の意思を確認しなければなりません。

3.更新料の入金を確認し手続き完了

入居者から更新料の入金を確認できたら、更新手続きが完了です。

2)契約更新業務は、不動産会社に委託するのが一般的

入居者がスムーズに書類を返送し、更新料も入金してくれるのであれば問題は生じません。

しかし、契約満了時が近づいても書類の返送がなかったり、更新料の入金がなかったりすれば、何度も入居者に契約更新の意思確認をしたり、更新料の入金依頼をしたりといった手間が生じます。

そのため、アパートやマンションを経営するオーナーのほとんどは、不動産会社に契約更新の業務を委託しています。

契約更新業務を委託された不動産会社は、オーナーに代わって上にご紹介したような業務を行うため、その労務の対価として更新事務手数料を請求するのです。

3.賃貸契約を更新する際に発生する費用と更新事務手数料について

賃貸契約を更新する際には、入居者にはさまざまな負担が生じます。

また、更新事務手数料は入居者とオーナーのどちらが負担することが多いのでしょうか。

賃貸契約時に発生する費用と更新事務手数料の負担についてご説明します。

1)契約更新時に発生する費用

賃貸契約を更新する際には、更新料以外に次のような費用も発生します。

・火災保険料 ・保証料(家賃保証会社を利用している場合) ・更新事務手数料

火災保険料や保証料は、入居者が負担し、保険会社や家賃保証会社に支払われる費用です。

一方、更新事務手数料は不動産会社に支払われるもので、オーナーがその料金を支払うケースや入居者が負担するケースがあります。

2)更新事務手数料は誰が負担する?

更新事務手数料は、契約更新に関する事務手続きの報酬として不動産会社が受け取る費用です。

不動産会社はオーナーから委託を受けて更新手続きを行うため、オーナーが事務手数料を負担すべきという考えもあります。

しかし、現状では更新事務手数料を入居者に負担させている事例も少なくありません。

更新事務手数料を入居者側が負担する場合はあらかじめ賃貸借契約書の中に、更新時には更新料と更新事務手数料が発生する旨を記載しておくようにしましょう。

賃貸借契約書の中にこれらの文言を含めておらず、入居者から更新事務手数料の支払いを拒否された場合には、オーナーが事務手数料を負担しなければなりません。

4.更新料のオーナーの取り分は

更新料は、入居者が契約更新をする際にオーナーに支払う料金です。

しかし、更新事務手数料を誰が負担するかによってオーナーの取り分は変わってきます。

1)更新事務手数料の相場

更新事務手数料の相場は、更新料の50%程度です。

更新料が家賃の1ヶ月分であった場合、事務手数料は家賃の0.5ヶ月分となります。

当社ランドネットの料金表を見てみるはこちら

2)更新事務手数料をオーナーが負担する場合

更新事務手数料をオーナーが負担する場合は、更新料から更新事務手数料が引かれた残りの額がオーナーの取り分となります。

更新料が家賃1ヶ月分だった場合のオーナーの取り分は、家賃の0.5ヶ月分です。

家賃が10万円の物件だと仮定すると、オーナーには更新料として5万円分が入るというわけです。

3)更新事務手数料を入居者が負担する場合

更新事務手数料を入居者が負担する場合は、1ヶ月分の更新料がそのままオーナーの手元に入ります。

しかし、更新事務手数料の負担を巡ってトラブルになるケースもあるため、契約書内に契約更新時に入居者が負担する費用についてもしっかり明記しておきましょう。

4)更新料を設定しない場合

地域によっては更新料を設定しない場合もあります。

最近では更新料の慣習があるエリアでもライバル物件との差別化のために、更新料を徴収しないケースも出ています。

入居者の中には更新料が発生するという理由で、契約更新をせずに転居してしまうケースが多いからです。

しかし、更新料を設定していない場合でも、契約の更新は必要です。

更新料を設定していないけれど、不動産会社に契約更新手続きを委託している場合は更新事務手数料が発生します。

この場合、更新事務手数料はオーナーの負担となる点を忘れないようにしましょう。

賃貸の平均居住期間はどれくらい?長く住んでもらう方法を伝授を算定して、入居者の入居期間を延ばすことで更新料よりもお得になる可能性もあります。

一概に入居者に更新料を絶対払ってもらうっていう契約でない方が良い場合もあります。

まとめ

賃貸契約の更新料は、地域によってばらつきがあります。

東京や千葉、埼玉、神奈川といった関東エリアでは、家賃1ヶ月分の更新料を設定しているケースが多いようです。

更新料は入居者からオーナーに支払われるお金ですが、不動産会社に更新手続きを委託している場合は半額になると覚えておけば大丈夫です。

尚、客付け時に支払う広告費(AD)も全国各地で異なります。

併せてオーナーが不動産会社に払う広告料(AD)とは?相場や仲介手数料との違いを解説もご覧ください。

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監修者
吉田 佳祐【株式会社ランドネット】
吉田 佳祐【株式会社ランドネット】
賃貸仲介と管理の両方を知る在籍10年超のベテラン!入居中のトラブルや滞納のお悩みなどあらゆる難題に手腕を発揮。【資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・損害保険募集人一般【不動産業界歴】15年

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