リノベーションによる空室対策で費用対効果を計算する2つの基準
成功事例

リノベーションとは、間取りを今の流行に合わせて変更したり、より性能のよい設備を導入したり、物件の価値を高める改修です。
一般的にリフォームは部分的な改修を、リノベーションは建物全体の改修を指すことが多くなっています。
特にリノベーションは、賃料の高い東京の賃貸物件で空室対策に効果を発揮するといわれています。
しかしながら、リノベーションをすれば必ずメリットを得られるわけではありません。
今回は、リノベーションが空室対策に有効な理由と、リノベーションをする際の注意点についてご説明します。
目次
1.リノベーションが賃貸マンションの空室対策に有効な理由
リノベーションをすると次のような効果を得られるため、賃貸マンションの空室対策には有効だといわれています。
1)入居者を獲得しやすくなる
リノベーションをすれば、室内をまるで新築のようにきれいに蘇らせることができます。
設備や間取り、壁紙や床などにも、今のニーズを反映したデザインを取り入れられるため、入居者のニーズを満たしやすくなり、入居者をスムーズに獲得しやすくなるでしょう。
2)家賃の値上げを実現できる
物件の築年数が経過すると、家賃も徐々に低下していきます。
しかし、リノベーションを行えば、室内もきれいになり、設備も新しくなるため、物件の価値を高めることができます。
そのため、リノベーション後は家賃を値上げしても入居者を獲得できる可能性が高くなります。
3)出口戦略時に売却価格がアップする
家賃が値上げできれば月々の収入も増えるため、リノベーション費用も家賃収入で回収することができます。
さらに、物件を売却する際にも収益物件としての価値が高まっているため、売却価格も高くなる可能性があります。
4)費用対効果を最初から計算できる
リノベーションは建て替えよりも、コストを抑えながら建物の資産価値を高め、賃貸物件との寿命を延ばせる費用対効果の高い空室対策の施策。
しかし、それは費用対効果を考えずに無計画でリノベーションをしてしまうと建て替えよりも悪くなります。
コストパフォーマンスの悪いリノベーションを行うよりも、建て替えであれば減価償却費が増えるなど節税に繋げられるため
2.リノベーションをする際に注意したいことは?
ご紹介したようにリノベーションには、空室改善につながり、家賃もアップできるなど多くのメリットがあります。
しかしながら、デメリットもあります。 次にご紹介する点に注意して、リノベーションを実施しましょう。
1)リノベーションのコストを回収できるかどうか試算する
繰り返しになりますが、リフォームよりも大掛かりな工事が必要となるリノベーションは、工事費用がかかります。
また、リフォーム中は賃貸に出すことはできないため、改修中の部屋から家賃収入を得られません。
改修後に家賃を値上げする際、どのくらいの期間でリノベーションのコスト、リノベーション期間中の空室分の損失を回収することができるのか、事前にしっかりと試算しておくことが大切です。
2)賃貸ニーズに合わせたリノベーションが可能か
リノベーションをしても現在の賃貸ニーズに合っていなければ、空室対策としての効果を発揮できない可能性もあります。
リノベーションを検討する際には、不動産管理会社などに現在の入居者の傾向を確認し、どのようなリノベーションが有効なのかを相談してみるとよいでしょう。
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3)賃貸ニーズがあるエリアでなければ効果は限定的
リノベーションをすれば、室内が新築同様にきれいになるため、入居者は獲得しやすくなるでしょう。
しかし、リノベーションをしても、いずれまた時間の経過とともにリノベーションの効果は薄れていきます。
駅から遠いエリアや防犯面で不安があるようなエリアの場合、長期的な視点で考えればリノベーションをしても十分な費用対効果を得られない可能性があります。
むしろ、リノベーションよりも家賃を調整や戸建てであれば駐車場スペースを作ったほうが良いかもしれません。
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3.リノベーションの費用対効果を知る基準
基本的にリノベーションする範囲と目的を定めて絞ることができれば、工事代金が下がり収益の伸びやすくなるROI(費用対効果)は伸びます。
その2つの基準をここではご紹介させていただきます。
あくまでも以下の基準は参考例の1つになります。
仮に家賃を上げられなかったとしても稼働率(入居期間)を伸ばすことが目的なら、以下の基準がすべてというわけではありません。
例で挙げるなら、外壁の塗り替えなどが当てはまります。
1)家賃上昇によって年10年でリノベーション費用は回収できるか?(年10%の運用を意識)
一概には言えませんが、リノベーション工事費も所謂投資になります。
家賃がどこまで伸ばせるか?を賃貸市場に合わせてリノベーション後の賃料設定し、10年(年10%)で元が回収できれば費用対効果が高いリノベーションと言えます。
上記の計算は稼働率100%(退去0)だった場合の数値です。
現実には難しいため、最低でも10年以内に改修できないとなると、そのリノベーションは考え直したほうが良いのかもしれません。
例えば、アクセントクロスを貼るのに5万円掛かったとして、賃料が1,000円UPできたとします。
この場合、10年(120カ月)で12万円の総額。
経費が5万なのでROI220%になることから、費用対効果が高いリフォーム・リノベーションと考えることができます。
上記の例は極端ですが、3点ユニットバスを変更するのに60万円掛かった場合、最低でも5,000円(10年で60万)の家賃値上げが見込めるかを確認しましょう。
2)収益還元法で資産価値(売却価格)が工事代金の半分以上回収できそうか?
上記の方法で、10年で元が取れないからまったくダメというわけではありません。
稼働率UPに加えて家賃を上げることができれば、売却価格の上昇が期待できるからです。
例えば稼働率75%(9カ月入居)の木造アパート(家賃4.5万)の1室があり(年40.5万円の家賃収入)を例に挙げます。
ユニットバスのリノベーション(60万円)にて、家賃が仮に3,000円しか上がらなかった場合、1つ目のROIの観点で言えば5%しか回収できません。
しかし、リノベーション工事を行ったことで直近の稼働率が100%(12カ月入居)になった場合。
4.8万円(家賃UP後の家賃)×12カ月で57.6万円までに上昇し、月単位で言えば14,166円分の収益改善をしたことになります。
約17万円家賃UP分から収益還元法(年8%の利回り)で逆算すると、理論値にはなりますが212.5万(17万÷8%)の価格上昇とみなされるのです。
当然ですが、売却価格の上昇が大きく見込めるでしょう。
単純に家賃だけでは、稼働率の点も踏まえて計算すると一概にリノベーション工事は費用対効果が合わないとは言えないでしょう。
4.東京周辺の賃貸物件ではリノベーションの費用対効果が合いやすい
リノベーションによって空室改善の効果を最も得られるのは、東京をはじめとした首都圏エリアの賃貸物件であるといえるでしょう。
なぜなら、東京や周辺のエリアはそもそも人口が多く、賃貸ニーズも多いエリアです。
また、新築物件や築浅物件などでは、家賃の設定も高くなっています。
そのため、リノベーションを行い、その費用を回収するために家賃を高めに設定しても、家賃が高すぎる印象を与える可能性も低くなります。
一方、地方の場合、そもそもの家賃設定が低いために、リノベーション後に家賃の値上げをしても値上げできる額はそれほど大きくはできないはずです。
結果、地方で大掛かりなリノベーションをしても、家賃収入で費用を回収できない可能性が出てきてしまいます。
反対に、東京周辺の賃貸物件を所有するのであれば、積極的にリノベーションを検討してみてもよいでしょう。
まとめ
室内の間取りを変更したり、人気の設備を導入したり、壁や床も新しくするリノベーションは、建物に新しい価値を与え、空室改善にも効果を発揮します。
家賃の値上げも期待できるため、月々の収入をアップできる可能性だけでなく、売却時の価格も高められる可能性があります。
しかしながら、まとまった費用が発生するために、費用を回収できる見込みがあるのかを事前にしっかりとシミュレーションをしておくことが大切です。
また、賃貸需要の低いエリアではリノベーションをしても十分な効果を得られない可能性があります。
空室対策として賃貸物件のリノベーションを検討しているようであれば、入居者ニーズの確認も含め、一度、管理会社に相談をしてみることをおすすめします。
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