持ち家を賃貸に出す方法とは？手続きから注意点まで徹底解説

「転勤で一時的に家を空けるけど、賃貸にできる？」

「住宅ローンが残っているけど、賃貸に出しても大丈夫？」

持ち家を賃貸に出すことは、賃貸収入を得られる魅力的な選択肢ですが、同時に様々な不安や疑問がつきものです。

手続きの複雑さや税金の問題、借り手がつかないリスクなど、知っておくべきことは多岐にわたります。

本記事では、持ち家を賃貸に出す際のメリット・デメリット、手続きの流れ、知っておくべき注意点、そして起こりうるトラブルの対策まで解説します。

1.持ち家を賃貸に出すメリットとデメリット

持ち家を賃貸に出すという決断をする前に、まずはそのメリットとデメリットを理解し、ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。

メリット

家賃収入の確保

家賃収入を固定資産税の支払いに充てられるなど、経済的な安定が期待できます。

資産価値の維持

家を空き家にするよりも、人が住むことで劣化を防げます。

将来の選択肢が広がる

いつかまた自宅に戻る、あるいは売却する、といった将来の選択肢を残せます。

デメリット

賃貸経営の負担

入居者募集、家賃管理、トラブル対応など、オーナーとしての業務が発生します。

入居者リスク

家賃滞納や騒音トラブルなど、予期せぬ問題が起こる可能性もあります。

費用や税金

不動産所得税やリフォーム費用など、様々なコストが発生する恐れがあります。

【関連記事】

→自宅を賃貸に出すメリット＆デメリットを徹底解説

2.持ち家を賃貸に出す際の「4つの注意点」

持ち家を賃貸に出すという特殊な状況だからこそ、事前に知っておくべき重要な注意点がいくつかあります。

2-1.住宅ローンが残っている場合の注意点

住宅ローンが残っている物件を賃貸に出すことは、原則として契約違反です。

銀行への無断での賃貸は、ローンの一括返済を求められる恐れもあります。

【関連記事】

→住宅ローンが残っている自宅を賃貸に出すには？銀行の黙認を期待するのはNG

2-2.古い家を賃貸に出す場合の注意点

「古い家だから借り手がつかないのでは？」と心配するオーナーも多いですが、古い家には古い家なりの魅力があります。

【関連記事】

→古い家を貸したい！空室対策とリフォームのポイント解説｜賃貸オーナー向け

2-3.転勤など一時的に賃貸に出す場合の注意点

転勤期間中など、いずれは自宅に戻る予定がある場合は、「定期借家契約」の活用が有効です。

【関連記事】

→転勤で自宅を賃貸に出すなら？定期借家契約のメリットと注意点

2-4.賃貸に出す物件の管理方法

遠方に住むことになる場合、賃貸に出した物件の管理を自分で行うのは困難です。

そのため、賃貸管理会社への管理委託も一つの手段となります。

3.持ち家を賃貸に出す手続きの流れ

持ち家を賃貸に出す手続きは多岐にわたりますが、ここでは全体像を把握するための簡易的な流れを解説します。

ステップ1:賃貸条件の決定

家賃、敷金・礼金、ペット飼育の可否など、賃貸に出すための条件を決めます。

ステップ2:賃貸管理会社の選定と契約

入居者募集、契約手続き、賃貸管理までを代行してくれる管理会社を選び、管理委託契約を結びます。

ステップ3:設備の準備とリフォーム

築年数や設備の状況に合わせて、必要であればリフォームや修繕を行います。

ステップ4:入居者募集

管理会社がウェブサイトや不動産情報誌などで入居者を募集します。

ステップ5:入居審査と契約締結

応募者の中から審査を行い、賃貸借契約を結びます。

ステップ6:賃貸開始

入居者が引っ越しを完了し、賃貸経営がスタートします。

4.持ち家を賃貸に出す際の「税金」と「住宅ローン控除」

持ち家を賃貸に出すことで、税金や住宅ローン控除に影響が出ます。

事前にしっかりと理解しておきましょう。

4-1.不動産所得の申告と税金

賃貸収入から必要経費（固定資産税、修繕費、管理会社への手数料など）を差し引いたものが「不動産所得」となり、所得税や住民税の課税対象となります。

4-2.住宅ローン控除の注意点

住宅ローン控除は「自身が居住していること」が条件です。

賃貸に出す時点で居住の条件を満たさなくなるため、控除を受けることができなくなります。

ただし、転勤など一定の条件下では、手続きを行うことで控除の再適用が可能な場合があります。

必ず税理士や金融機関に確認しましょう。

5.賃貸管理会社に依頼するメリットと選び方

持ち家を賃貸に出すオーナーにとって、賃貸管理会社は心強いパートナーです。

特に、初めて賃貸経営をする方や、遠方に住んでいる方には、管理会社の活用を強くおすすめします。

家賃滞納・入居者トラブル対応

賃貸管理会社がオーナーに代わって、家賃督促や騒音、近隣トラブルの対応を行います。

入居者募集・審査

賃貸のプロとして、適切な入居者を募集・審査し、空室リスクを軽減します。

24時間入居者サポート

入居者からの設備の不具合や緊急連絡に24時間体制で対応します。

まとめ：持ち家を賃貸に出すなら、まずは専門家に相談を

持ち家を賃貸に出すことは、大切な資産を有効活用できる一方で、専門知識や手続きが必要となります。

本記事で解説したメリット・デメリット、手続きの流れを参考に、ご自身の状況を整理してみましょう。

そして、住宅ローンや税金など、専門的な判断が必要な部分は、必ず事前に専門家に相談することが重要です。

安定した家賃収入を得るためには、賃貸管理会社に管理委託し、トラブルに備えた体制をとっておくことも賢明でしょう。